【社会】日本人を“絶滅危惧種”へと追いつめる3つの要因 「他人事ではない」と海外から危惧も NewSphere(ニュースフィア) 2014年1月29日
昨年、「日本人の若者はなぜセックスをしなくなったのか?」と題する英ガーディアン紙の記事が世界で注目を浴びて以来、日本人のセックスに関連する動向は、日本国内以上に海外から注視されているようです。
この「セックスしない症候群」と、総務省による「日本人総人口の減少傾向に歯止めがかからない」という発表をうけ、世界のネットユーザーたちは、「日本」、「人口減少」、「セックスしない症候群(Celibacy Syndrome=独身症候群)」などの単語を検索し、議論しています。
昨今は、日本の「人口減少」を、日本一国だけの問題ではないと論ずる記事もあり、海外の関心も形を変えているようです。
日本人総人口を減少させる3つの要因“非婚化”、“出生率低下”、“高齢化”
日本の人口減少については、「セックスしない症候群」とあわせ、識者らは、3つの要因を指摘しています。「非婚化」、「出生率低下」、「高齢化」です。
まず「非婚化」の背景について、『the week』は下記を指摘しています。結婚が恋愛重視へと移行し、良き伴侶を見つける術を失った男性が、親の保護下で引きこもり生活を続け、アダルトサイトやオンラインゲームの世界で満足を得るようになったこと。日本企業の労働時間の長さ、欧米と比べて男性の育児にかける時間が短いこと。結婚・出産が女性のキャリアを断ち、出産後の再就職が難しいこと。仕事を続けて経済的自由を得ることを望むようになったこと。
次に「出生率低下」は、「非婚化」の影響を大きく受けています。加えて、未婚での同棲・出産が社会的に認められていないことも、女性が出産に踏み切れないことの原因となっていると分析されています。
さらに「高齢化」は、医療技術の発達に、「非婚化」と「出生率低下」がリンクした当然の結果といえるでしょう。
セックスしない症候群の兆候が米国にも?
これまでは、「人口減少」と「セックスしない症候群」は、日本独自の問題として扱われる傾向がありました。しかし、一部の米国メディアでは、「他人事ではなさそうだ」との不安の声が上がりはじめています。
日本の一部にみられる、「結婚に意義を感じられない」、「子供は経済的にも社会的にも重荷である」という考え方、「気楽なその場限りの関係やバーチャルな疑似恋愛を好む」傾向などが、そのまま米国にもあてはまるというのです。
『Slate』では、こうした事態の一側面として、日本の成人の24%が何らかのメンタルヘルス問題を抱えていると報じた。同じく米国では25%とも報じており、同様の問題への懸念を示唆している。
さらには、これらの行動は「やむを得ない選択」ではなく、「幸せな選択」であり、当人たちはそのライフスタイルに満足している可能性もありそうだと、若者の嗜好の変化として受けとめる意見も出てきました。
今後、日本がどう対応するか、世界中が注目
記事へのコメントでは、このまま人口減少が続けば、日本人は「絶滅危惧種」に名を連ねることになりそうだという意見も。
引き続き世界の関心を集めそうなこの問題に対し、日本は不安を払拭できるだけの策を打ち出すことができるのか。今後は、「日本がどう対応するか」、または「日本はなぜ対応できないのか」が、議論の中心となりそうです。