第60回 「つぶやきをかたちに」 理解を得られる議員活動を  |  政治・選挙プラットフォーム【政治山】

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【LM推進地議連連載/リレーコラム47~地方議員は今~】

第60回 「つぶやきをかたちに」 理解を得られる議員活動を (2013/11/13 山梨県大月市議会議員 小林信保氏/LM推進地議連会員)

関連ワード : 地方議会 大月市 小林信保 山梨 

政治山では、政策立案を行う「政策型議員」を目指す地方議員らで構成される「ローカル・マニフェスト推進地方議員連盟」(略称:LM推進地議連)と連携し、連載・コラムを掲載します。地域主権、地方分権時代をリードし、真の地方自治を確立し実践するために設立された団体のメンバーが、それぞれの実践や自らの考えを毎週発信していきます。現在は、全国47都道府県の議員にご登場いただき、地域の特色や問題点などを語っていただく「リレーコラム47~地方議員は今~」を連載しています。第60回は、山梨県大月市議会議員の小林信保氏による『「つぶやきをかたちに」 理解を得られる議員活動を』をお届けします。

◇          ◇          ◇

日本を代表する山 富士山

日本を代表する山 富士山

 大月市は、山梨県の東部に位置し、JR中央本線が東西に走り新宿駅までは特急電車で1時間、八王子までは普通列車で50分と、東京へも十分通勤が可能な地域です。また、富士山へは、電車でも車でも大月駅や大月ジャンクションを通って行くことになります。観光名所となっている日本三奇橋の猿橋や、1992年には市が富士山の眺めが素晴らしい市内12の山を秀麗富岳十二景と定めていて、富士山の世界文化遺産登録をキッカケにさらに登山者の増加が期待されています。旧500円札の裏の富士山は、大月市の雁ケ腹摺山(がんがはらすりやま)から見たものです。

 大月市の人口は、私が生まれた昭和40年には4万人を超えていましたが、現在は2万7千人台へと大きく減少していて、小中学校の統廃合や市立の病院の経営難、下水道利用率の低迷、上水道の採算性など多くの問題に拍車がかかることが心配されています。

 私は選挙の時のマニフェストで

「分かりやすい報告会・対話の機会を設けること」

「全国の改革派議員と積極的に交流すること」

「優先順位を考慮しながら大月市全体のことを考え、できることとできないことを明確にすること」

「ブログ・情報誌を発行すること」

「必要以上の義理張りを慎むこと」を約束しました。

「あまりに当たり前のこと過ぎて、こんなことをやっても大月がどんなふうに変わっていくのかイメージができない」「もっと夢を語った方がよい!」との意見もいただきました。

 私の1期目の4年間の役割は、議員が、どれだけの報酬を得て、どのような活動をしているのか、ということを市民に知ってもらうこと。そして、私がその活動に「どれほどのやりがいを感じているのか」ということをブログや広報誌(smile report現在8号を配布中)を通じて発信し、やる気を持った若い人たちや女性に伝え、議員になろうという人を増やすことだと思っています。

 先日、1期生2人で「会派スマイル」を結成しました。最初の活動は会報誌「スマイル」の発行、そして次は、母親クラブのお母さんたちと話し合う機会を設けました。
その席に私は選挙の時に着た、「つぶやきをかたちに」というバックプリントが入ったポロシャツを着ていきました。そしてその冒頭のあいさつで、皆さんとの対話の機会をサイレントマジョリティー(物言わぬ多数派)の「つぶやきをかたちに」するという絶好の機会にしたいと思っていることもお伝えし、この話し合いで会派スマイルの代表質問を1問作りましょう!という提案をさせていただきました。

 そして、話し合いの中から出てきたファミリーサポートの充実に対する質問を、先の9月議会の代表質問で取り上げさせていただきました。今の段階では形になるかは分かりませんがぜひとも形にして、私たちの意見が届くんだという成功体験にしたいと思います。

 大月市の議員報酬は、月額345,000円で、私は24年度、5,411,700円の報酬をいただきました。この報酬が高すぎるのか安すぎるのか、その判断をするのは住民ではないでしょうか?であるならば議員は、自分がやっていることを発信し、議員という仕事を市民の皆様に十分に理解してもらわなくてはなりません。そして、理解してもらった上で、議員は次に選挙という洗礼を受けるべきだと思います。

 私は、議員に立候補する前に疑問に感じていたことは、どこの葬儀に行っても議員さんが顔を出していること、そして議員さん方は口々に「議員報酬なんか義理張りですべて消えちまうよ」と言っていることでした。先日、同級生が、「○○議員さんがこの間、『親父は元気か?』って聞いてきたんだ。おいおい親父はもう死んでいるし、あの議員だって葬儀に来ていたのに何を言っているんだか!」と言って怒っていました。

 次の選挙のために葬儀に行っているとしか思えないこれら状況を、何とかしたいと思っています。私は、議員という仕事をボランティアではなく職業とすべきだと思っています。マニフェストに書いた「過剰な義理は慎みます」には、そのような意味を込めて書きました。

山梨県大月市議会議員 小林信保氏

山梨県大月市議会議員 小林信保氏

 私の子供2人は東京の私立中学に通っています。大月市の議員報酬だけでは、2人を大学へ行かせることは難しいです。ですから私の妻も働いていますし、私も議員活動の合間には家業の建材店の手伝いをし、社長である父と母と同居しながら生活をしています。議員になって2年が過ぎましたが、経験したり、研修したりすればするほど気づきがあり、議員としての仕事は増えていっています。

 地方分権がさらに加速して地方自治を確立していくために、地方議員の果たす役割は、非常に大きくなってきています。今、子育て支援に対する重要性が認識され、さまざまな計画が立ち上がろうとしています。このことを考え、子育て世代の意見を取り入れるためにも、子育て世代が議員になれるような状況を作ることは大切なことではないでしょうか?

 そのような中、これから大月市議会では、議員報酬の適正化に向けた話し合いが行われることになると思います。議会改革というと報酬削減や議員定数削減というイメージを持つ人が多いと思いますが、その議論の場で私は、「報酬に見合った働きをする議会・議員になることの方が大切だ」という意見をするつもりです。

 選挙の時の政策に書いた

  • 新年度の予算が決定した時点で、予算の使い道を住民に説明する「議会報告会」の開催
  • インターネットを活用した議会・委員会の積極的公開
  • 住民と議会の対話の推進
  • 政策提案をするために議員同士の討論の推進
  • しがらみと無駄をなくすために、公開の場所での市民と議員で作る事業仕分けの実施
  • 多選とはどの程度の期間をさすのかを検討した上で、多選を禁止すること
  • 自らが守るべきルール(議会基本条例)を作ること

これらの提案をする絶好の機会が訪れます。しっかり議論を尽くしたいと思います。

著者プロフィール
小林 信保(こばやし のぶやす):山梨県大月市生まれの48歳。県立都留高等学校を卒業後、1984年法政大学工学部経営工学科に入学。卒業後 建材問屋 興国ハウジング(株)入社、1990年家業である建材店 水下ベニヤ商会を継ぐ、2011年大月市議会議員初当選 現在、議会だより編集委員会委員長、2013年5月 2人で新会派スマイルを結成し所属メンバーの一人として活動中
HP:小林信保と皆の笑顔があふれる大月にする会
blog:小林信保と皆の笑顔があふれる大月にする会 交流ブログ
facebook:小林信保
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