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【LM推進地議連連載/リレーコラム47~地方議員は今~】

第59回 進化し続ける「マニフェスト大賞」という名の政策情報発信メディア (2013/11/6 神奈川県横浜市会議員 黒川勝氏/LM推進地議連会員)

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政治山では、政策立案を行う「政策型議員」を目指す地方議員らで構成される「ローカル・マニフェスト推進地方議員連盟」(略称:LM推進地議連)と連携し、連載・コラムを掲載します。地域主権、地方分権時代をリードし、真の地方自治を確立し実践するために設立された団体のメンバーが、それぞれの実践や自らの考えを毎週発信していきます。現在は、全国47都道府県の議員にご登場いただき、地域の特色や問題点などを語っていただく「リレーコラム47~地方議員は今~」を連載しています。第59回は、神奈川県横浜市会議員で第8回マニフェスト大賞実行委員長の黒川勝氏による『進化し続ける「マニフェスト大賞」という名の政策情報発信メディア』をお届けします。

◇      ◇      ◇

 第8回マニフェスト大賞の授賞式典が11月1日、今年も六本木ヒルズのアカデミーヒルズで開催されました。過去最高の2108件、1537団体からの応募があり、毎年増え続ける応募に全国の地方議会や議員などからの大きな期待を感じました。

第8回マニ大実行委員のみなさん

第8回マニ大実行委員のみなさん

 このマニフェスト大賞は、約70人の現職の地方議員からなる実行委員会が主体となり、早稲田大学のマニフェスト研究所に事務局機能を担ってもらい、毎日新聞社が共催者として広報や報道を、後援の共同通信社とともに行ってくれます。また、株式会社NTTデータ、森ビル株式会社、株式会社パイプドビッツなど7社の企業にスポンサーになっていただいています。早稲田大学マニフェスト研究所の所長である北川正恭・早稲田大学大学院教授を審査委員長に、大学教授、マスコミ関係者、政策シンクタンクなどから成る11人の審査委員会に厳正な審査をしていただき、クリエイティブディレクターの箭内道彦さん、女優の秋吉久美子さんには特別審査委員になってもらっています。また、ドットジェイピーという学生団体や各議員事務所のスタッフ、ボランティアにも支えられています。この大きな組織の実行委員長を、今年も私は務めさせていただきました。支えていただいた多くの皆様に感謝申し上げます。

 毎年少しずつ改革を進め、進化し続けているのがマニフェスト大賞の大きな特徴です。

今年最大の改革は、前日に行われた事例発表会です。毎日新聞社の本社にある毎日ホールで行われた事例発表会は、10月1日に発表された優秀賞33件(首長部門を除く)のうち、25件の優秀賞を受賞した地方議会、地方議員、市民団体の皆さんが全国から集まり、200人近くの参加者の前で全国的にも最新事例といえる取り組みを発表してくれました。

全国の最新事例に聞き入る参加者たち

全国の最新事例に聞き入る参加者たち

 引き続いて行われた懇親を兼ねた意見交換会でも、参加者と受賞者の皆さんの間で熱心に意見交換が行われました。この試みも、昨年初めて授賞式典の翌日に開催された事例発表会を進化させたものです。前日に開催することで、授賞式典後に六本木ヒルズで開催していたレセプションを行わないことになり、全体の予算を大きくコストダウンすることに成功しました。

 もう一つの改革は、マニフェスト部門の最優秀賞をマニフェスト大賞としていたものを、首長マニフェスト賞、市民団体マニフェスト賞、会派マニフェスト賞、成果賞、政策提言賞、ネット選挙・コミュニケーション戦略賞、復興支援・防災対策賞の7部門から最優秀賞を選び、最優秀賞の中から首長、会派、市民団体のマニフェスト大賞を三組選ぶという形に変えました。

 また、各賞の応募資格は、賞によっては地方議会、会派、地方議員、政党支部、地方政党、首長、市民団体に拡大し、選挙管理委員会や公的な一部事務組合の議会、議会事務局などからも広く応募がありました。これにより、優秀なマニフェストの取り組みを選ぶというマニフェスト大賞が、マニフェストだけにこだわらずに、優秀な政策や先進事例を大賞に選ぶことが出来るようになりました。

 さらには公職選挙法の改正に伴い、コミュニケーション賞をネット選挙・コミュニケーション賞と名称変更し、インターネットを活用した新しい選挙のあり方を実践している事例を選考対象に加えることにしました。これにより自由民主党神奈川県連のネット選挙対策プロジェクトチームや、広島県選挙管理委員会などのユニークな取り組みが受賞することになりました。

 審査委員や各部門の内容、各賞を受賞されたそれぞれの政策の詳細などはマニフェスト大賞のホームページで確認いただければと思いますが、多くの地方議員の仲間に支えられて、みんなでアイデアを出し合い議論しながら、マニフェスト大賞は毎年新しい試みが積み重ねられて進化し続けているのです。

 とかく地方議会は、不祥事が大きく取り上げられたり、実情を知らないマスコミによる偏った報道で揶揄(やゆ)されるようなことが多く、それに対する反論の機会はありません。私はマニフェスト大賞実行委員長として、そういったネガティブな報道ばかりでなく、地方議会や議員の素晴らしい政策をマスコミにも紹介してもらい全国各地で共有して、地方から政治や行政を改革していこう、政策に著作権はないし、自分たちの政策が全国に広がっていくことはうれしいことに違いないはずだと、意見交換会であいさつをしました。マニフェスト大賞に全国から多くの政策や先進的な成功事例が集まり、それらが新聞や専門雑誌などで報道・紹介されたり、実行委員会のホームページや事例をまとめた冊子で学べたり、意見交換会やローカルマニフェスト地方議員連盟の研修会などで情報が共有されたりすることによって素晴らしい政策が全国に広がっていくことになれば、マニフェスト大賞は単なるイベントではなく一つの『メディア』といえるのではないかと思います。

横浜市会議員 黒川勝氏

横浜市会議員 黒川勝氏

 ぜひ受賞されたみなさんは、自分たちの取り組みを自分たちの町のものだけにとどめることなく、「政治山」をはじめとするさまざまな情報発信の機会や地方紙などの取材を通じて、どんどん自慢してほしいと思います。

 私の好きな言葉に「一燈照隅、万燈照国」という言葉があります。一つの地域で始められた新しい試みが、マニフェスト大賞を通じて全国に知られることになり、地域の特性に応じていろいろなアレンジや創意工夫を経て、全国に広がっていくことが『地方から日本を変える』ことになると信じて、これからもマニフェスト大賞は進化し続けます。

 来年も多くの皆さんからの応募をお願いするとともに、全国各地の新しい取り組みがたくさん集まることを期待しています。

著者プロフィール
黒川 勝(くろかわ まさる):1965年11月12日生。神奈川県横浜市会議員2期。自由民主党所属。社団法人横浜青年会議所第54代理事長、NPO法人横浜スタンダード協議会初代理事長を歴任後、2007年横浜市会議員に初当選。第8回マニフェスト大賞実行委員長、前ローカルマニフェスト推進地方議員連盟共同代表。
HP:黒川勝ホームページ
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