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【LM推進地議連連載/リレーコラム47~地方議員は今~】

第48回 活動報告で築く市民との協働関係-新しい市政報告会のかたち (2013/8/21 山梨県甲府市議会議員 神山玄太氏/LM推進地議連会員)

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政治山では、政策立案を行う「政策型議員」を目指す地方議員らで構成される「ローカル・マニフェスト推進地方議員連盟」(略称:LM推進地議連)と連携し、連載・コラムを掲載します。地域主権、地方分権時代をリードし、真の地方自治を確立し実践するために設立された団体のメンバーが、それぞれの実践や自らの考えを毎週発信していきます。現在は、全国47都道府県の議員にご登場いただき、地域の特色や問題点などを語っていただく「リレーコラム47~地方議員は今~」を連載しています。第48回目は、山梨県甲府市議会議員の神山玄太氏による「活動報告で築く市民との協働関係-新しい市政報告会のかたち」をお届けします。

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活動報告は、議員の重要な責任の1つ

山梨県甲府市議会議員 神山玄太氏(吉野聡氏撮影)

山梨県甲府市議会議員 神山玄太氏(吉野聡氏撮影)

 「議会で何を議論し、決定したか」、市民に説明責任を果たすこと―――選挙戦で掲げたマニフェストに明記した約束の1つだった。

 2011年4月に甲府市議会議員に初当選して以来、自身のホームページで活動や議案審査結果の報告などを行い、また定例会ごとに議会報告レポートを作成し、配布してきた。そして、早朝の街頭市政報告会や市民の皆様とお会いするさまざまな機会でも自らの活動について話をさせていただいてきた。

 それでもまだ「市議会議員って、どんな仕事をしているの?」「市議会議員って、議会がないときは何をしているの?」と市民に聞かれる現状がある。

 議員にとって自らの活動について説明責任を果たすということは、重要な活動の1つだと考えている。選挙で選んでいただいた市民に対して、その負託に応えられているか、期待に沿った活動ができているか、このような議員としての活動を評価していただくためには説明責任を果たすことが不可欠だ。また、議員が説明責任を果たすことで、市民と議員が情報を共有することを可能とし、市民が市政やまちづくりについて深く考えるきっかけとなり、正しい情報の下で市政に参画できるようになっていくと考えている。

 そして、私自身の活動について説明責任を果たすための1つとして、8月4日に「神山玄太株主総会」を開催した。市民や応援してくださっている方々が120名ほどが集まってくれた。

活動報告会は「株主総会」

 この「神山玄太株主総会」とは、日ごろから私を支えてくださっている方々、そして市民の皆様に、私自身の活動を直接ご報告させていただき、そして今後の活動に対するさらなる助言、ご支援をいただくための市政報告会のことだ。私の議員活動が甲府市民のための活動になっているか、活動の内容が適切か、支援いただいている政治資金の使い方が適切かなど、自らの活動に対する説明責任を果たしたいとの強い思いを表現するため、単なる市政報告会ではなく「株主総会」と名付けた。

「神山玄太株主総会」の模様

「神山玄太株主総会」の模様

 なぜ、ここまで説明責任を果たすことに力を入れているかといえば、説明責任を果たしていくことで、議員として市民の中に自ら入っていくことが可能になると考えているからである。つまり、説明責任を果たすという手段を通じて、自ら市民との距離を縮めていって、多くの市民と一緒に活動を行っていきたいと考えているからである。

 私の初めての選挙は同級生を中心としたチームで取り組み、当選後も大きな組織を作らずに活動してきた。組織のない若い議員だからこそ、説明責任をしっかり果たし、自ら市民にアプローチをしていくことで、政策やまちづくりについての助言や地域活動についてのアドバイス、活動の輪を大きくするために知人・友人をご紹介いただいたり、活動に必要な政治資金・カンパをいただくことが可能になってくると思っている。

 この「神山玄太株主総会」で意識した点は、(1)私自身の活動をより知ってもらうために、議会活動や調査研究活動、地域活動などに分けたカテゴリー別の活動報告を行うこと、(2)活動に対する自分自身の評価を加えること、そして(3)会計報告を行うこと――の3点。特に、自身の活動を自分で評価して説明することは、「株主総会」後の自らの活動を見直すことにもつながった。そして、会計報告を意識して行ったのは、市民の皆様からいただいている政治献金やカンパをどのように使ってきたかを明らかにすることが、活動費として政治献金やカンパを今後もお願いする前提になると考えているからである。

 情報を公開し、説明責任を果たして“仲間”を増やしていく

 議員になって以来、さまざまな機会で活動内容を伝えてきたため、さすがに今では「地方議員はボランティアでやるべきだ」などと言われることは少なくなってきたが、自分自身の活動を振り返ってみると、まだまだやりたいことの半分も活動ができていないというのが本音だ。自身の議員活動をサポートしてくれるスタッフを雇用できるくらいの政治献金や、カンパをいただけるようになるためにも、会計報告も含めた「株主総会」のような活動報告を今後も行っていくことが重要であると考えている。

 そして、市政報告会を「株主総会」と名付けたもう1つの理由として、議員としては若手に位置付けられ、まだまだ成長途上の神山玄太の「玄太“株”」をこれからもこれまで以上に大きく育てていただきたいという思いも込めている。

 これからも特定の組織に対してだけではなく、日頃から私を支えてくださっている方々、そして多くの市民の皆様に情報公開し、説明責任を果たしていくことで、市政やまちづくりに参画する人々を増やしていきたいし、私と一緒に活動してくれる仲間を増やしていきたいと考えている。

※「神山玄太株主総会」の様子、配布資料は、こちらからご覧いただけます。
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著者プロフィール
神山玄太(かみやま げんた):山梨県甲府市生まれの31歳。県立甲府東高等学校を卒業後、1浪を経て、2002年に金沢大学法学部に入学。2006年に早稲田大学大学院公共経営研究科に進学し、元三重県知事の北川正恭、公会計の第一人者の小林麻理両教授(現会計検査院検査官)に師事した。修士論文は「マニフェスト時代における政党マネジメント―政策を中核に据えた政党組織モデル―」をテーマに執筆。大学院修了後は、日本インターネット新聞社『ザ・選挙』編集部で政治記者として働く。2010年、政策担当秘書資格試験に合格。帰郷後、2011年の統一地方選挙で初当選。現在、甲府市議会議員1期目で無所属として活動している。
HP:神山玄太のホームページ
Facebook:甲府市議会議員 神山玄太
Twitter:@genta_kamiyama
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