第29回 「議員活動の見える化」とインターネット活用  |  政治・選挙プラットフォーム【政治山】

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【LM推進地議連連載/リレーコラム47~地方議員は今~】

第29回 「議員活動の見える化」とインターネット活用 (2013/03/27 東京都江東区議会議員 鈴木綾子/LM推進地議連会員)

関連ワード : 東京 江東区 鈴木綾子 

ローカル・マニフェスト推進地方議員連盟 連載・コラム政治山では、政策立案を行う「政策型議員」を目指す地方議員らで構成される「ローカル・マニフェスト推進地方議員連盟」(略称:LM推進地議連)と連携し、連載・コラムを掲載します。地域主権、地方分権時代をリードし、真の地方自治を確立し実践するために設立された団体のメンバーが、それぞれの実践や自らの考えを毎週発信していきます。9月からは、全国47都道府県の議員にご登場いただき、地域の特色や問題点などを語っていただく「リレーコラム47~地方議員は今~」を開始しています。第29回は、江東区議会議員の鈴木綾子氏による「「議員活動の見える化」とインターネット活用」をお届けします。

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江東区の概要

水辺環境に恵まれた「水彩都市」江東区

水辺環境に恵まれた「水彩都市」江東区

 東京都江東区は、下町と急速に開発が進む臨海部からなり、伝統と未来が融合するまちです。区の南側は東京湾に接し、区全体が運河や内部河川など、豊かな水辺環境に恵まれた「水彩都市」でもあり、東京スカイツリーや東京ゲートブリッジを臨む、美しい景観も大きな魅力です。

 人口は2013年1月には48万人を突破。50万都市に向け、年々増加を続けています(参照「江東区の将来人口の推計について」)。特に、臨海部では、高層マンションの建設により、子育て世代を中心に人口が急増し、2015年度には築地市場の豊洲への移転が予定されるなど、新しいまちとしての活気があふれる一方で、児童数が急増する「多子化」により、待機児童問題や、小中学校の不足など、社会インフラの整備という課題も同時に抱えています。また、集合住宅が8割以上を占め、地域コミュニティの希薄化や、防災・防犯対策なども課題です。

江東区議会の構成

 江東区議会は、定数44人。現在の議員数は43人です。
 会派別の人数構成は、下表の通りとなっております。
 平均年齢は54歳。男女構成は、男性42人、女性11人。20代の議員はおらず、30代の議員はわずか4名で、全体の9%にすぎません。
 江東区民の年齢構成と比較して、若い世代の議員が少ないこと。女性議員の比率が25%と、まだまだ少ないのが課題です。

江東区議会会派構成と区議会議員の年齢分布

選挙の投票率

 江東区の直近の投票率は、2012年の衆議院選挙、都知事選挙が約64%、2011年の区議会議員選挙、区長選挙が約46%(四捨五入した値)と低迷傾向が続いております。特に、国政選挙に比べ、身近な地方議会である区議会議員選挙、区長選挙における投票率の低迷傾向、若年投票率の低さが課題となっております。この傾向は都市部で顕著であり、江東区も例外ではありません。

 子育て世代など、若い世代の声を区政に反映することが必要である江東区においては、若年層を含む、投票率の向上が喫緊の課題です。要因としては、若い世代を中心とした政治離れや、政治に関する不信感など、さまざまなものが想定できますが、議員の活動、議会で議論されている地域の課題などが、住民に届きづらく、「見える化」できていないことも大きいと考えています。

「議員活動の見える化」について

水辺に囲まれた江東区(東京ゲートブリッジ)

水辺に囲まれた江東区(東京ゲートブリッジ)

 議員活動の本分である、暮らしやすいまちを作り上げていくための政策を実現するためには、住民の方々の声を聴き、ニーズにあった政策を、実現手段や可能性を考えながら議会に提案していくということが重要であることはいうまでもありません。

 このためには、日ごろから「議員が何の仕事をしているのか」「自分の暮らすまちで課題になっていることは何か」を「見える化」し、住民にまちづくりや政治・行政に関心を持っていただくことが大切です。 特に、住民が行政に参画し、暮らしやすいまちを共に作っていく地域の課題解決をする「協働」の意味で重要で、その先に、投票率の向上などの効果があると考えています。

「議員活動の見える化」の手法としてのインターネット活用

江東区議会議員・鈴木綾子氏

江東区議会議員・鈴木綾子氏

 このため、私は議員となってから「議員活動の見える化」を心がけ、有権者と直接お会いして対話をする機会のほか、ホームページやSNSなどのインターネットをフル活用した情報発信を強化しています。それと同時に、区政やまちづくりについてのトピックスを発信しながら気軽に意見交換ができる、区政報告座談会「あやこcafé」を毎月開催しています(参照)

 インターネット、特にSNSは、対話を重視する議員活動とも親和性が高く、お金をかけず、時間や場所を選ばずに、議員活動や政策などをPRしたり、意見交換を行うことができる大変有用なツールです。私自身の議員活動の中でもこのことを強く実感しています。

 今夏の参院選挙から、インターネットによる選挙中の活動が解禁される、いわゆる「ネット選挙解禁」の見込みとなってきましたが、インターネットの活用は、選挙活動だけのためではなく、日頃の議員活動の「見える化」のためのツールとして継続的に使い続けることが大切です。政策実現型の議員活動のためには、インターネットを活用した議員活動の「見える化」は必須であると私は考えています。

江東区の将来人口の推計について

著者プロフィール
鈴木綾子(すずきあやこ):1975年生まれ。成城大学文芸学部卒業後、通信会社で法人営業に従事。仕事と子育ての両立に関心を持ち、2009年、早稲田大学大学院公共経営研究科でワーク・ライフ・バランスを研究。2011年、同研究科修了後、東京都江東区議選で初当選。通信会社出身のバックグラウンドを生かし、「ICTを活用した住民サービスの向上」「ICTを活用した議員活動の見える化」などを推進。SNSと連動した区政報告座談会「あやこcafe」などの開催を行っている。
HP:鈴木あやこ Official Web Site
facebook(公式):suzukiayako.koto
twitter:@ayako_suzuki
LM推進地議連の連載コラム
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第27回「ひたちなか市の現況と議会が取り組んでいること」(茨城県ひたちなか市議会議員 樋之口英嗣)
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