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【速報】第7回マニフェスト大賞
最優秀賞に『倉敷市議会 青空市民クラブ』など
(2012/11/02 政治山)

 地方自治体や首長、議会などの先進的な活動や優れた取り組みを表彰する「第7回マニフェスト大賞」の最優秀賞の発表が2日、東京・港区の六本木アカデミーヒルズで行われ、8部門9作品が表彰された。各部門の最優秀賞は、下記のとおり。マニフェスト大賞は、ローカル・マニフェスト推進地方議員連盟やローカル・マニフェスト推進首長連盟などから構成される「マニフェスト大賞実行委員会」が主催し、今年で7回目を迎える。今回は1,376団体・1,889件と過去最多の応募数だった(前回、1,340団体、1,670件)。授賞式の最後に、審査委員長の早稲田大学教授・北川正恭氏は「国政のマニフェストの信用が失墜する中、地方から変えようと思った人々が多くて安心した。優秀な作品・人々が多く、質の高さに驚いている。地域から日本を引っ張ってもらいたい。地方から日本を救ってほしい」と総括した。

関連ページ: 第7回マニフェスト大賞授賞式・フォトギャラリー

第7回マニフェスト大賞 最優秀賞一覧

<地方議会部門>マニフェスト大賞優秀賞 地方議会部門優秀成果賞優秀政策提言賞優秀コミュニケーション賞
<首長部門>マニフェスト大賞優秀賞 首長部門<市民部門>優秀マニフェスト推進賞<共通部門>震災復興支援・防災対策優秀賞

<地方議会部門>

マニフェスト大賞 地方議会部門

受賞団体
倉敷市議会 青空市民クラブ
受賞した取り組み
マニフェストサイクルをまわし、任期最終年度に「外部評価」と「会派マニフェスト検証大会」を実施
概要
任期最終年度に、これまで毎年行っていた会派マニフェストの自己評価に加え、大学講師・学童保育運営委員長・NPO関係者の外部評価委員を選任し、会派マニフェストの外部評価を行った。会派マニフェスト検証・評価大会も会派所属議員が手作りで開催・運営し、市長、市職員、議員など400名が参加した。
受賞団体のコメント
大きな賞を受賞でき感激しています。私たちは1997年に自民党・社会党を離党してできた会派です。地味な活動ですが、全国区で評価されたのは本当に大きな励みになります。これからも倉敷で議会改革を行っていきます。
実行委員の寸評
前回(2009年)の選挙で37の政策項目を掲げ、22項目を実現しました。その間マニフェスト・サイクル(PDCA。計画→実行→評価→改善)を回し、きちんと検証したこと。400人の市民を集め、第三者に「見える化」できたことが評価されました。〈審査委員長 早稲田大学政治経済学術院教授 北川正恭氏〉

倉敷市議会 青空市民クラブの斎藤武次郎議員、時尾博幸議員(左から)倉敷市議会 青空市民クラブの斎藤武次郎議員、時尾博幸議員

審査員特別賞

受賞団体
自由民主党横浜市支部連合会
受賞した取り組み
マニフェストの政策実現に徹底的にこだわる8つの条件を掲げた
マニフェスト「責任と約束」のもと、8つのプロジェクトチームが機動

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最優秀成果賞

受賞団体
飯田市議会
受賞した取り組み
自治基本条例の議会責務検証から継続的改革で「議会力」向上を
概要
「自治基本条例の議会責務検証から継続的改革で『議会力』向上を」。―議会報告会を起点とした政策形成サイクルと行政評価を行いながら、「市民との協働によって制定した自治基本条例制定が資産」との考えのもと、条例施行4年目の2011年に議会の責務検証のため全議員による「自治基本条例検証会議」を設置。その後、「議会改革・運営ビジョン」をまとめた。
受賞団体のコメント
私たち飯田市議会は、全員で合議制を持って市民と行政が一緒になって、いい街をつくっていこうと思っています。(今回の受賞は)仲間のおかげでもあり、市民のおかげでもあります。これからも改革を進めてまいります。
実行委員の寸評
ご存じのように、飯田市議会は議会改革のトップランナーです。議会が自治基本条例を自身で住民参加のうえつくったこと。これを政策サイクルとして動かし、住民福祉の向上につなげたことが評価されました。議会改革を一過性で終わらせることなく、「最先端の議会」が拡がっていくことを期待しています。〈山梨学院大学法学部教授 江藤俊昭氏〉

受賞の喜びを語る飯田市議会の上澤義一議員受賞の喜びを語る飯田市議会の上澤義一議員

審査委員会特別賞

受賞団体
公明党横浜市会議員団
受賞した取り組み
議員提案で、横浜市市民活動推進条例(市長提案条例)を全改正し、「見直し条項」を取り入れた、横浜市市民協働条例を制定
受賞団体
議会事務局研究会
受賞した取り組み
自治体事務局はどうあるべきか、研究報告とイベント開催を積み重ね、世の中に議会事務局のあり方を大きく発信

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最優秀政策提言賞

受賞者
中谷一馬(神奈川県議会議員)
受賞した取り組み
庁舎などの物品調達でリバースオークションによる経費削減を
~新世代における地方自治体の未来モデル構想から~
概要
「新世代における地方自治体の未来モデル構想」をトータルデザインとして提案し、その中から、庁舎などの物品調達でリバースオークションによる経費削減を行うことを提案。問題点やポイント、“できない言い訳”パターンに対する複数反論意見もまとめている。その後、県が試行的に導入し、開始価格の半値で価格が決まった。
受賞者のコメント
本当にありがとうございます。私が提言した「新世代における地方自治体の未来モデル構想」と、とりわけリバースオークションが評価されたのは本当にうれしいです。このままだと「将来につけを残す政治」になってしまいそう。20~30年後私たちの世代が中心となったとき、「あの世代はよくやっていた」と思われるように頑張ります。
実行委員の寸評
この提言は、次の3つの点で評価しました。まず、県が物品購入するときの「リバースオークション」は、経費削減効果を大きく期待できます。これを受けて、多くの自治体は財政難で苦しんでいるので、政策提言の意義が大きいと感じています。そして、問題点や課題などを列記した37ページの冊子を添付したこと。問題点を書きながらの提言はすごいと思いました。来年も期待しています。〈みずほ情報総研 社会保障藤森クラスター 主席研究員 藤森克彦氏〉

笑顔の中谷一馬・神奈川県議会議員笑顔の中谷一馬・神奈川県議会議員

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最優秀コミュニケーション賞

受賞団体
流山市議会
受賞した取り組み
テクノロジーをツールに「見られる議会」から「見たくなる議会」への変革を目指す
概要
「流山市議会ICT推進基本計画」を推進。一般質問時のプレゼンテーションツール(スクリーン、プロジェクターなど)の活用開始のほか、「市民にとって知りたい・わかりやすい議会ホームページ」のリニューアルに取り組む。全国市議会で初めて、フェイスブックの公式アカウントを取得し「議会中継を見る日」「議会報告会に参加してみよう」キャンペーンなども実施。
受賞団体のコメント
素晴らしい賞をいただき、ありがとうございます。今回の受賞は市議会だけでなく、さまざまな関係各位のご理解・ご協力のたまものだと思っております。今後は「市民に開かれた議会」の実現に向け、地方議会の改革のトップランナーとして全力を尽くします。
実行委員の寸評
第4回優秀成果賞、第5回最優秀成果賞に続いて3回目の受賞です。そんな中、今回の授賞理由となった「議会のICT化」は新たな発見でした。議会のユーストリーム中継など「議会の見える化」に努め、従来のICT化と比べると「住民に分かりやすく」に重点を置いているのが特徴です。今後は、「自治体の未来像」を作っていく使命がある、と思っています。〈月刊『ガバナンス』編集長 千葉茂明氏〉

表彰状とトロフィーを受け取る流山市議会の坂巻忠志議員(左)と酒井睦夫議員表彰状とトロフィーを受け取る流山市議会の坂巻忠志議員(左)と酒井睦夫議員

審査委員会特別賞

受賞団体
鳥羽市議会
受賞した取り組み
ITを駆使した可視化・情報共有の徹底と、全国最多の議会報告会開催による「地域に寄り添う議会」の実現

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<首長部門>

マニフェスト大賞 首長部門

受賞者
川勝平太(静岡県知事)
受賞した取り組み
静岡に“日本の理想”を創ろう!!川勝平太の政策提言
概要
マニフェストは全文をホームページに掲載し、ハンディな概要版を配布し、分かりやすさをモットーにした現場説明会を開くなど、主張と政策が確実に有権者に浸透するように図った。知事就任から9カ月後、初年度におけるマニフェストの進捗状況をまとめ、それを受けて、「進行中」の政策は県民参加型の総合計画にすべて盛り込むとともに、県内の各界各層からなる有識者会議に政策提言を求め、向こう10年をにらんだ総合計画を策定した。
受賞者のコメント
国政のマニフェストが後退している中、受賞できたのはとてもうれしいです。すでに95%のマニフェストを消化してしまいました。「県民の県民による県民のためのマニフェスト」。これは大きな自信となります。残り1年。今は第4コーナーを回ったところです。

北川審査委員長と川勝平太・静岡県知事(右)北川審査委員長と川勝平太・静岡県知事

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<市民部門>

最優秀マニフェスト推進賞

受賞団体
政策研究ネットワーク「なら・未来」
受賞した取り組み
「二元代表制を主権者である市民が使いこなす」時代、市長マニフェストの検証・評価、市議会への議会改革・提案活動などを実施
概要
2009年7月の市長・市議会議員選挙に際して『大討論会~“どうする奈良”いま、市民・行政・議会に求められることは~』を開催。その後、奈良市長の行政改革に対する監視やマニフェストの検証・評価活動を実施するとともに、奈良市議会に対しても議会改革に向けた提案を行うなど、二元代表制を意識した研究・活動を進めている。
受賞団体のコメント
2004年以来の活動が認められ、本当に喜んでいます。奈良市長・市議会選挙を2013年に控え、ますます活発に活動していきます。
実行委員の寸評
マニフェストを推進する首長や地方議会、議員の活動を、2004年以降、「議会・議員の皆さんを絶対に逃がさないぞ」と力強く盛り立ててくれています。今後も期待しています。〈早稲田大学政治経済学術院教授 塚本壽雄氏〉

政策研究ネットワーク「なら・未来」代表幹事の木原勝彬・ローカル・ガバナンス研究所所長政策研究ネットワーク「なら・未来」代表幹事の木原勝彬・ローカル・ガバナンス研究所所長

審査委員会特別賞

受賞団体
沖縄県明るい選挙推進青年会VOTE
受賞した取り組み
若者が聞きたい質問を集め「VOTE的選挙公報」を作成
琉球ニライ大学ネットワークと連携し政策判断・学習の場を提供

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<共通部門>

震災復興支援・防災対策最優秀賞

受賞団体
国立大学法人岩手大学
受賞した取り組み
「『岩手の復興と再生に』オール岩大パワーを」のスローガンのもと、教職員と学生が一丸となり被災地ボランティアなどを展開
概要
岩手県三陸沿岸地域の復興を推進するため、震災直後から掲げてきた「『岩手の復興と再生に』オール岩大パワーを」のスローガンのもと、6つの部門を設置し、地域のニーズを最優先とした各種取り組みを行っている。釜石市と久慈市には、サテライトとエクステンションセンターを設置し、大学だからこそできる情報の収集・提供などを積極的に行っている。
受賞団体のコメント
最優秀賞を受賞し、感激してます。岩手大は「岩大(がんだい)」と呼ばれ、親しまれています。大震災で学生が1人犠牲に、400人近くの職員・学生が被災しました。震災直後から学生と教職員が一丸となって活動してきました。大学正門前に『オール岩大パワー』という大きな看板を立てています。看板倒れにならないように、今回の受賞を励みにして今後とも頑張ります。
実行委員の寸評
岩手大は震災直後に復興対策本部を立ち上げ、現在は復興推進機構に改組・発展しています。これは学生や教職員のボランティア活動です。教育支援や水産業復興支援など、教育・研究機関としての特長を生かし、外部機関とも連携したのが特筆すべき点です。〈TBSテレビ解説専門記者室長 杉尾秀哉氏〉

感激のコメントをする岩手大学の藤井克己学長感激のコメントをする岩手大学の藤井克己学長

審査委員会特別賞

受賞団体
小泉地区 明日を考える会
受賞作品名
「集団移転は未来への贈り物」
ワークショップ形式で新しいまちづくりを推進

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審査委員会特別賞

箭内道彦選

世界を変えようとする方々を目の当たりにできることがうれしいです。明日から自分なりのこともがんばろう、と思いました。〈特別審査員 クリエイティブディレクター 箭内道彦氏〉

受賞者
湘南カフェ(神奈川県)
受賞団体のコメント
素晴らしい賞、ありがとうございます。ユーストリームで月に1回配信しています。議員こそメディア媒体になって市民・有権者と対話する必要があると思います。
審査員講評
おしゃれな感じがします。
受賞者
銀河連邦(秋田県能代市、岩手県大船渡市、神奈川県相模原市、長野県佐久市、鹿児島県肝付町、北海道大樹町)
受賞団体のコメント
1987年に発足し、地域の垣根を越えて交流しています。今回の震災の直後、何を行うべきかを考え、「息の長い支援」を行わなければならないという結論に達し、交流のあった大船渡を強力に1点集中で支援していくことにしました。
審査員講評
友だちを増やすことが大切だと考えています。友だちの心配をするのは当たり前です。とても楽しいネーミングですね。

秋吉久美子選

震災の悲劇を乗り越え、「明るく前向きに取り組んでいる」人々に差し上げたいと思いました。〈特別審査員 女優 秋吉久美子氏〉

受賞者
久慈市
受賞団体のコメント
秋吉さんからもらうのは本当にうれしいです。震災での人的被害を最小限に抑えることができたのは津波ワークショップのたまもので、「釜石の奇跡」と言われています。おじいちゃん・おばあちゃんに声かけて助けることを心がけ、これからも「奇跡」と言わせないようにがんばります。
審査員講評
1896(明治29)年の明治三陸沖地震から対策と改善。小学校教育から地震に対する授業をすることによって、家庭でも震災の意識を高めました。このことが、最小限の被害にとどめた要因になったのだと思いました。
受賞者
福島とつながる種まきプロジェクトネットワーク(東京・国立市)
受賞団体のコメント
今回の受賞は励みになります。これからも福島とつながれるように取り組んでいきます。
審査員講評
被災地の方々とつながることで、心を分け合う。地域としてつながる。これらはこれからの日本に必要なことだと思います。悲劇を乗り越えて、戸惑いを力に変えてほしいと思います。

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◇        ◇        ◇

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