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第34回政治山調査「民泊の賛否は同数、4割が利用したいと回答」 (2015/12/17 政治山)

関連ワード : 民泊 特区 調査 

 外国人観光客の増加に伴い、国家戦略特区での導入が進められている民泊(ホテルや旅館などの宿泊施設ではない個人宅や空き部屋に宿泊すること)ですが、2015年10月には大阪府で、同年12月には東京・大田区で実施に向けた条例が可決しました。

 民泊は既に国内でも実施されており、貸主(ホスト)と借主(ゲスト)をつなぐマッチングサイト大手「Airbnb(エアビーアンドビー)」には2万件を超える国内物件が登録されています(2015年11月現在)。旅館業法や消防法、食品衛生法など関連法規との兼ね合いや近隣とのトラブルも指摘されていますが、民泊は私たちの暮らしにどのような影響を及ぼすのでしょうか。

 政治山では、全国20歳以上の男女を対象に12月4日から7日まで、インターネット意識調査「政治山リサーチ」を用いた調査を実施しました(回答数2,211)。今回はその概要をお届けします。

6割が認知、「利用したこともある」のは7%

 まずはじめに、「民泊について、あなたはどのくらい知っていますか?」との問いに対して、「知っていて、利用したこともある」7%、「知っている」28.9%、「どちらかというと知っている」25.1%を合わせて6割超が認知していることがわかった(グラフ1)。

 一方、「知らない」17.7%と「どちらかというと知らない」11.6%を合わせておよそ3割が認知しておらず、1割が「どちらともいえない」と回答した。

(グラフ1)民泊について、どのくらい知っていますか?

賛否は23.4%で同数、過半数が「どちらともいえない」

 次に、民泊についての賛否をたずねたところ、「賛成」5.6%と「どちらかというと賛成」17.8%を合わせると23.4%で、「反対」8.7%と「どちらかというと反対」14.7%の合計と同じ割合となった(グラフ2)。

 また、「どちらともいえない」との回答も53.2%と過半数を超え、賛否が分かれている現状がうかがえた。

(グラフ2)民泊について、どのように思いますか?

空き物件の活用と宿泊施設不足の解消がメリット

 続いて、民泊の導入にはどのようなメリットが考えられるのか、3つまで選んでもらった(グラフ3)。回答者がもっとも多かったのは「空き家・空き部屋の活用」40.2%、次に「宿泊施設不足の解消」33.6%、さらに「ホストの収入増」24.2%、「ゲストの負担減」22.5%、「ゲストとの文化交流の促進」20.6%と続いた。

(グラフ3)民泊の導入には、主にどのようなメリットがあると思いますか?

トラブル懸念が多数、宿泊施設の稼働率低下は5.5%

 先の問いと反対に、民泊の導入にどのようなデメリットが考えられるかたずねたところ、「トラブル増加による治安悪化」42.7%、「ゲストと地域住民のトラブル」40.2%、「ホストとゲストのトラブル」35.9%と、文化や慣習の異なる利用者とのトラブルを懸念する回答が多数を占めた(グラフ4)。

 さらに「施設/ゲストの安全・衛生管理」27.3%、「目的外・ゲスト以外の利用」22.7%と続き、「宿泊施設の稼働率が下がる」は5.5%、「資産価値の下落」は4.6%にとどまった。

(グラフ4)民泊の導入には、主にどのようなデメリットがあると思いますか?

ホストやゲストとして、4割が「利用したい」と回答

 次に、「民泊が利用可能となった場合、あなたは利用したいと思いますか?」との問いに対しては、「ホストとして利用したい」5.8%、「ゲストとして利用したい」17.4%、「どちらでも利用したい」15.3%と、38.5%がなにがしかの形で利用したいと回答した(グラフ5)。

 4割近いニーズがある一方、「どちらでも利用したくない」との回答は60.6%に上り、民泊の利用拡大にはまだ解決すべき課題の多いこともうかがえた。

(グラフ5)民泊が利用可能となった場合、利用したいと思いますか?

高いリピート率、利用を通じて懸念の解消も

 今回の調査結果を性別や年代ごとに見てみると、民泊利用者は男女ともに20代がもっとも多く、民泊への賛成は60代男性と20代女性に多かった。民泊の利用にもっとも消極的だったのは50代以上の女性だった。

 また、利用したことのない人と比較すると、利用者は「ゲストとの文化交流の促進」や「資産価値の向上」をメリットとする割合が多く、トラブルをデメリットとする人の割合は減少傾向が見られた。なお、8割超が「利用したい」と回答し、高いリピート率を示した。

 2020年の訪日外国人観光客を3000万人とする目標達成には、民泊の果たす役割は少なくない。また、全国で800万戸を超える空き家の利活用も地域にとっては喫緊の課題となっている。

 まずは法令面で利用環境を整えるとともに、ホストとゲストだけでなく地域住民の理解も深めていかなければならない。そのうえで、外国人だけでなく日本人の利用も促進することで身近に利用者を増やしていくことが、民泊を浸透させる近道なのではないだろうか。

本調査レポートについて

本調査の詳細なレポートでは、性別や職業などの属性と各設問とをクロス集計した結果もご紹介しており、「政治山会員」の方は会員ページにてご購入いただけます。

<調査概要>

調査対象者 全国の20歳以上の男女
回答者数 2,211人
調査期間 2015年12月4日(金)~12月7日(月)
主な質問
【全体集計結果】
基本属性(性別・年代・地域・職業・未既婚・子供の有無・住居形態・個人年収)
Q1 民泊について、あなたはどのくらい知っていますか?
Q2 民泊について、あなたはどのように思いますか?
Q3 民泊の導入には、主にどのようなメリットがあると思いますか?
Q4 民泊の導入には、主にどのようなデメリットがあると思いますか?
Q5 民泊が利用可能となった場合、あなたは利用したいと思いますか?
以下はQ2で「賛成」または「どちらかというと賛成」と回答した人を対象
Q6 あなたがそう考える理由を教えてください。(自由記述)
Q7 ゲスト(宿泊客)として民泊を利用する際、何を重視して宿泊先を決めますか?(複数選択)
Q8 ゲストとして民泊を利用する際、主にどの情報を参考にして宿泊先を決めますか?(複数選択)
Q9 民泊には否定的な意見も少なくありませんが、どのようにすれば利用が広がると思いますか?(自由記述)
Q10 (利用したことがある人)民泊を利用して良かった点、悪かった点など感想をお聞かせください。(自由記述)
【クロス分析結果】
「性別/年代」「職業」「住居形態」「個人年収」とQ1~Q5との関連性
Q1の回答結果と、Q2~Q5との関連性
調査手法 インターネット調査(政治山リサーチ)
調査実施機関 株式会社パイプドビッツ 政治山カンパニー

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<著者> 市ノ澤 充
株式会社パイプドビッツ 政治山カンパニー シニアマネジャー
政策シンクタンク、国会議員秘書、選挙コンサルを経て、2011年株式会社パイプドビッツ入社。政治と選挙のプラットフォーム「政治山」の運営に携わるとともにネット選挙やネット投票の研究を行う。政治と有権者の距離を縮め、新しいコミュニケーションのあり方を提案するための講演活動も実施している。
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