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世界でフリーランス労働が最も盛んな6カ国~【世界の副業・複業、パラレルキャリア】第14回 (2017/11/16 nomad journal

関連ワード : 働き方改革 労働・雇用 

こちらの棒グラフはOxford Internet Instituteがまとめた世界のフリーランサーに関するレポートの「世界のオンラインワークが盛んな国トップ20」です。これらの国々の中で、第1位のインドから、第6位の英国までがずば抜けてリードしており、第7位以降に大きな差をつけています。これらのインド、バングラデシュ、米国、パキスタン、フィリピン、英国の6カ国が、現在世界のフリーランス大国であると言ってよいでしょう。

オンラインワークTOP20-2017年7月

オンラインワークTOP20-2017年7月
「Where are online workers located? The international division of digital gig work」を元に加工

世界のフリーランス大国ベスト6

棒グラフの色分けは、フリーランサーの業種別を示しています。一言にフリーランス大国と言えども、業種の内分けは必ずしも同じではありません。米国にはライティングや翻訳のフリーランサーが多くいますが、インドでは質の高いソフトウェア開発や技術の専門家が多くいるようです。これらの国々の特徴をもう少し詳しく見てみましょう。

第1位 インド

世界全体のオンラインワーカーの24%がインドに住んでいます。アウトソーシングが国の主要輸出の一つとなっているため、インドのフリーランサーは高い教育水準と専門知識をもち、世界的にも高い競争力をもっています。インドのフリーランサーの55%がソフトウェア開発やテクノロジーの分野で働いています。そして彼らは、国内総生産に4千億ドル(約45兆6300億円)を稼ぎ出しています。

インドでは特に、女性と専門職からの退職者にフリーランスが重要な役割を果たしています。仕事と伝統的な慣習に基づいた家庭生活のバランスを可能にすることで、多くの女性はフリーランスとして収入を得ることができています。専門職の退職者は長年の職務経験を活かして、必要に応じた働き方ができています。

第2位 バングラデシュ

バングラデシュは世界のフリーランス人口の16%を占め、販売とマーケティングサポート、クリエイティブとマルチメディア、ソフトウェア開発とテクノロジーの分野が盛んです。バングラデシュの平均賃金は月額60ドル(約6,845円)前後ですが、フリーランス業ではそれをはるかに超える収入を得ることができます。

第3位 米国

米国にはインドやバングラデシュのようなフリーランサー人口はありませんが、それでもかなりの数のフリーランサーがいます。米国のフリーランサーは約5,500万人、これは全労働者の約35%に当たります。

米国のフリーランスでユニークなのは、多くが9時から5時の仕事の外で、ムーンライターとして働いていることです。フリーランスの分野は、ソフトウェア開発と技術、クリエイティブとマルチメディア、ライティングと翻訳の間で、ほぼ均等に分かれています。

第4位 パキスタン

パキスタンの多くの高等教育機関では、コンピュータサイエンスとソフトウェアエンジニアリングに重点が置かれています。そのためこの分野の卒業生が市場に溢れ気味で、仕事を見つけるのが困難になっています。仕事を得られない卒業生たちはフリーランスに転じ、今年だけでも何十億ドルもの資金を稼ぎ出しています。

第5位 フィリピン

フィリピンは、パキスタンに6%ほど遅れを取っています。フィリピンでは過飽和雇用市場がより多くの人々をフリーランスに導いているほかに、ホワイトカラーの仕事がある都市部の交通問題がフリーランサーを増やす要因となっています。

フリーランスでは通勤することなく、家から働くことができます。世界で最悪の交通量を記録しているマニラを始め、交通事情の悪いケソンやセブで、フリーランサーの集中度が特に高くなっています。

アジアで英語を話す国の一つであることも、この国の利点です。この国のフリーランサーの多くはコンテンツライティング、顧客サービス、テクニカルサポートを専門としています。優れた英語スキルを持つフィリピン市場は、英語を話すフリーランサーを必要とする世界の企業にとって大きな魅力です。

第6位 英国

英国では会計、法律サービス、ビジネスコンサルティングなど、フリーランスのプロフェッショナルサービスの市場が22%を占めています。クリエイティブとマルチメディアのスキルにも高い需要があります。

フリーランスは、第一級または第二級の学位をもつ学生の87%から、新卒で考える魅力的なキャリアと見なされています。大学卒業生の29%が、卒業後5年以内にフリーランスになることを視野に入れているそうです。

フリーランスが盛んな業種

地域別のオンラインワークとその比率

地域別のオンラインワークとその比率
「Where are online workers located? The international division of digital gig work」を元に加工

アジアではソフトウェア開発とテクノロジー、クリエイティブとマルチメディア、販売とマーケティングサポートがフリーランス業の主要な分野となっていますが、欧州や北米では、ライティングや翻訳業もそれらと同等の割合を占めています。

まとめ

フリーランス市場の素晴らしさは、境界がないことでしょう。フリーランサーを雇用する企業はグローバル市場にアクセスして必要なスキルセットを正確に見つけ出し、それを地元市場よりも手頃な価格で得ることができます。

フリーランサーにとっては一つの場所に縛られず、どこに住んでも仕事ができるため、生活費の安いところに住めば、魅力的な料金を提供して競争力をつけることができます。

アジアが世界のフリーランス市場を圧倒的に支配している理由もここにあります。手頃な価格の労働者と高度に熟練した技能労働者を抱えるアジア諸国は、世界の企業の注目の的なのです。

参考記事:http://blog.payoneer.com/freelancers/industry-tips-fl/6-countries-capitals-freelancing/

記事制作/シャヴィット・コハヴ(Shavit Kokhav)

提供:nomad journal

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