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パラスポーツを通じて障害者への理解を―「あすチャレ!Academy」開講へ (2016/11/4 日本財団)

障害者の講師と学びの機会提供
パラサポ、10万人の受講目指す

2020年の東京パラリンピックを盛り上げるため、日本財団パラリンピックサポートセンター(略称パラサポ)は10月26日、東京・赤坂の日本財団ビルで記者会見を開き、障害者の講師によるコミュニケーションセミナー「あすチャレ!Academy」を開講すると発表しました。パラスポーツを題材にして、障害者への応対やコミュニケーション方法を学んでもらおうというもので、18歳以上の大人を対象にしています。この日の会見には、小池百合子・東京都知事や丸川珠代・東京五輪パラリンピック担当大臣も出席しました。

会見後、小池都知事、丸川担当大臣らも加わり、記念撮影

会見後、小池都知事、丸川担当大臣らも加わり、記念撮影

パラサポは昨年5月、東京パラリンピックの成功とパラスポーツの振興を目的に設立されました。今年4月から小中高校の児童生徒を対象にしたパラスポーツ体験型授業「あすチャレ!スクール」を全国で実施。また、企業や自治体を対象にした「あすチャレ!運動会」も来年から実施する予定です。今回は大人を対象にしたもので、カリキュラムは障害理解の基礎講義、学んだことを活かすグループワーク、障害別にコミュニケーション方法を体験するプログラムの3つに分かれています。障害者の講師を2020年までに100人養成し、全国で受講者10万人を目標に事業を展開していく計画です。

最初に山脇康パラサポ会長があいさつし、「障害者と触れ合うことが少ない多くの人からの声を反映して、コミュニケーションを実際に体験してもらおうという事業です。この事業が全国に広がり、インクルーシブな共生社会の実現に寄与できれば幸いです」と述べました。また、この事業を協賛するNECの菅沼正明執行役員は「当社は20年以上、車いすテニスを支援しており、パラサポと手を組んでユニバーサル社会の実現に向けて努力したい」と語りました。

あいさつする小池都知事

あいさつする小池都知事

続いて小池都知事が登壇し、「障害者の目で東京の街づくりを進めていきたい。ソフトの面でも今後、加速度的に進めていきたい。東京オリンピックの成功はパラリンピックの成功あってこそ、と思っているので、皆さんと一丸となってがんばっていきたい」と意気込みを語りました。丸川担当大臣も「パラリンピックは障害者への意識を変える大きな契機となるので、研修用のプログラムなどを作成して国民が速やかに行動できるよう、取り組んでいきたい」と述べました。

あいさつする丸川担当大臣

あいさつする丸川担当大臣

この後、「あすチャレ!Academy」の講師に選任された障害者4人が登壇し、パラサポ顧問の垣内俊哉・ミライロ代表取締役社長と対話しました。垣内顧問はこの事業について「障害者を理解したいという多くの人の思いを行動に移すきっかけにしたい。ハードはもちろん、ハートを変えていくことが出来たらいいと思う」と述べました。講師は、自身が障害者で知的障害の息子を持つ岸田ひろ実さん、生まれつき全盲の原口淳さん、聴覚障害の薄葉幸恵さん、先天的な骨異常のある山田大地さんの4人。山田さんは「私は身長が130センチで、ドラえもんと同じです。営業では短い手足で、相手の懐に飛び込んでいきます」と自己紹介しました。

垣内顧問(左端)と講師の岸田さん、原口さん、薄葉さん、山田さん

垣内顧問(左端)と講師の岸田さん、原口さん、薄葉さん、山田さん

最後に、パラアスリートの山本恵理さん、廣瀬誠さん、田口亜季さんが登壇し、進行役の垣内顧問とクロストークを行いました。リオ・パラリンピックの視覚障害者柔道で銀メダルを獲得した廣瀬さんは「私は視覚障害の中でも真ん中が見えない障害です。実際に外に出てみると、周りの人にも障害が分かってもらえる。我々障害者はできることとできないことを伝えていく必要がありますね」と話しました。また、射撃でパラリンピック3大会に出場した田口さんは「障害者、健常者とも思いやりを学んでいけば、みんなが思いやりのある社会になっていくと思う」と語りました。

垣内顧問(右端)と語り合う田口さん、廣瀬さん、山本さん

垣内顧問(右端)と語り合う田口さん、廣瀬さん、山本さん

パラサポでは、年内は東京、大阪を中心に30カ所、受講者1000人を目標に実施、来年度から地域を拡大していく予定です。セミナーの費用は一般1人4000円(団体1人3000円)、学生1人2000円(団体割引なし)。申込みは下記HP内のウェブ申請フォームから。

● あすチャレ!Academy(日本財団パラリンピックサポートセンター ウェブサイト内)

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