「ゴールボール」スマホアプリ登場―リオパラリンピックで女子代表も活躍  |  政治・選挙プラットフォーム【政治山】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
トップ >  ソーシャルイノベーション >  「ゴールボール」スマホアプリ登場―リオパラリンピックで女子代表も活躍

「ゴールボール」スマホアプリ登場―リオパラリンピックで女子代表も活躍 (2016/9/13 日本財団)

日本財団パラサポが初めて開発
視覚障害者も健常者も楽しめる

パラリンピックの正式競技である「ゴールボール」のスマホ用ゲームアプリを日本財団パラリンピックサポートセンター(略称パラサポ)が初めて開発し、8月31日に記者発表しました。この競技は、視覚障害のある選手がアイシェード(目隠し)を付け、鈴の入ったボールを投げあい、得点を競うスポーツです。リオ大会には日本女子代表チームが出場していて、活躍が期待されます。記者会見にはパラサポ代表、競技団体代表や男子強化選手が出席し、「ゲームを楽しみながら、パラスポーツに興味を持ってほしい」と語りました。

ゴールボール男子強化選手らで記念撮影

ゴールボール男子強化選手(前列右から3人)、高橋名人(前列左端)ら出席者で記念撮影

この日の会見には、日本財団パラサポの山脇康会長、日本ゴールボール協会の西村秀樹副会長、樫尚史事務局長、さらにゴールボール男子強化選手の信澤用秀キャプテンらが出席しました。まず、山脇会長があいさつし、「ゲームを通してパラスポーツに興味を持っていただき、ファンになってもらえたら、と開発しました。ゴールボールに続いて第2、第3弾のゲームアプリも考えていきたい」と述べました。また、ゲームアプリ開発を監修した日本ゴールボール協会の西村秀樹副会長は「ゲームアプリはゴールボールの競技を知らない方々に対し、大きなツールになると思う」と語り、競技普及への期待を表明しました。

あいさつする山脇日本財団パラサポ会長

あいさつする山脇日本財団パラサポ会長

あいさつする西村日本ゴールボール協会副会長

あいさつする西村日本ゴールボール協会副会長

続いて、日本財団パラサポの本山勝寛ディレクターがゲームアプリのモデルを使い、使用方法などを説明しました。この中で、ゲームアプリは画面がすべて見える「エントリーモード」、音の発信源だけが見える「サポートモード」、実際の競技同様に真っ暗な画面になる「リアルモード」の3段階に分かれ、健常者も視覚障害者の疑似体験ができると述べました。その上で、「世界的にも余りなかった画期的な取り組み」と強調しました。ゲームアプリは31日からパラサポサイト内アプリ紹介ページから無料でダウンロードできます。

ゲームアプリの使用方法を説明する本山ディレクター

ゲームアプリの使用方法を説明する本山ディレクター

この後、ゴールボール強化選手の信澤用秀キャプテン、川嶋悠太選手、辻村真貴選手が登壇し、実物を使ってゲームを披露しました。だが、3人とも負けが多く、「意外に難しい」を連発していました。信澤キャプテンは「ゲームアプリができると聞いて、どこまでゴールボールが表現できるのかと思った。実際に使ってみて、手軽に体験でき、ゴールボールに興味を持っていただけると思う」と話していました。

また、ファミコン全盛期に「連射の名人」と呼ばれた高橋名人も、飛び入り参加し、ゲームを実演しました。

ゲームアプリを使用した感想を述べる信澤キャプテン

ゲームアプリを使用した感想を述べる信澤キャプテン

パラサポ側は記者団との質疑応答の中で、「次はどんなゲームアプリを作る予定ですか」と聞かれ、「ボッチャでいきたいと思っています」と答えました。ボッチャは最初に投げた目標球にいかに近づけるかを競う球技で、障害の重い人でも楽しめる競技です。また、開発で工夫した点は何かとの質問に、「多くの人に楽しんでもらいたいと、できるだけシンプルにする一方、ゴールボールの良さを失わないようにしました」と答えました。

ゴールボールは、視覚障害の選手たちが1チーム3名で行う対戦型のチームスポーツです。攻撃側は鈴の入ったボールを相手ゴールに向かって投球し、守備側は全身を使ってボールをセービングします。攻守を交互に入れ替えて試合し、得点を競います。

この球技は、第二次大戦で視覚障害になった旧軍人のリハビリとして考案されたプログラムです。戦後、欧州で競技として紹介され、パラリンピックではカナダ・トロント大会(1976年)から正式競技になりました。わが国では1994年に協会が設立され、2004年のアテネ大会に女子チームが初出場、銅メダルを獲得しました。前回のロンドン大会では女子チームが3大会連続で出場し、金メダルに輝きました。女子チームは今回のリオ大会にも出場していますが、男子チームは地区予選で敗れ、出場できませんでした。

Sponsored by 日本財団

日本財団ロゴ
日本財団は、1962年の設立以来、福祉、教育、国際貢献、海洋・船舶等の分野で、人々のよりよい暮らしを支える活動を推進してきました。
市民、企業、NPO、政府、国際機関、世界中のあらゆるネットワークに働きかけ、社会を変えるソーシャルイノベーションの輪をひろげ、「みんなが、みんなを支える社会」をつくることを日本財団は目指し、活動しています。
関連記事
みんなでつくろう!バリアフリー地図―2020年東京パラリンピックに向けて
学校になじめない子どもはどこへ―インタビュー特集 「ROCKET」(上)
お母さんの心が壊れる前に―インタビュー特集「ROCKET」(下)
手話言語法制定へ、田岡克介石狩市長インタビュー「手話は救済でも福祉でもない」
ソーシャルイノベーション関連記事一覧