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みんなでつくろう!バリアフリー地図―2020年東京パラリンピックに向けて (2016/6/14 日本財団)

ビーマップ・アプリの利用開始
パラスポーツ体験型授業も

日本財団は4月8日、2020年の東京パラリンピックに向け、バリアフリー地図アプリとパラスポーツ体験型授業「あすチャレ!スクール」の新事業を発表しました。東京・赤坂の日本財団ビルで開かれた記者会見には、遠藤利明・東京五輪・パラリンピック担当相、鈴木大地スポーツ庁長官、タレントのマツコ・デラックスさん、パラアスリートらが招かれ、にぎやかに新事業のお披露目を行いました。

遠藤大臣、パラアスリート、笹川・日本財団会長らで記念撮影

遠藤大臣、パラアスリート、笹川・日本財団会長らで記念撮影

記者会見には、テレビ、新聞、雑誌などの記者ら約80人が出席しました。最初に笹川陽平・日本財団会長が挨拶し、同財団が障害者の社会参加のための活動を世界中で行っていることを説明。そのうえで、「健常者も障害者も、ともに普通の生活ができるように位置づけ、20年後の社会をバリアのない社会にしたいという願いからです」と述べました。

また、山脇康・日本財団パラリンピックサポートセンター(略称・パラサポ)会長は「共生社会を作るとの目的で、やれることは何でもやろうと考えています。その第一弾として、障害者スポーツとはどういうものかを理解してもらうため、小中高校生を対象に『あすチャレ!スクール』を1年間に100校で開催します。20年までには1000校、50万人を目標にがんばりたい」と語りました。

あいさつする笹川会長(左)、山脇会長

あいさつする笹川会長(左)、山脇会長

続いて、遠藤大臣が挨拶し、「20年の東京大会後にレガシー(遺産)をどう作るかが一番大事です。そのためにも児童・生徒に五輪やパラリンピックに関心を持ってもらえるよう、働きかけていただきたい」と語りました。また、鈴木スポーツ庁長官は「スポーツ庁が発足してから半年で、スポーツの多様性、幅広さを実感しています。現在、スポーツ基本計画の作成に向けて協議していますが、こうした内容を含んだものにしていきたい」と述べました。

あいさつする遠藤大臣(左)、鈴木長官

あいさつする遠藤大臣(左)、鈴木長官

この後、「あすチャレ!スクール」のプロジェクトディレクターを務める、元車いすバスケットボール日本代表の根木慎志さん、車いすラグビー日本代表の池崎大輔選手、ボッチャ日本代表の廣瀬隆喜選手、それにパラサポ顧問のマツコ・デラックスさんが登場しました。根木さんは、すでに20年以上、学校訪問を続け、障害者スポーツの普及に努めています。「パラスポーツの体験をしてもらうとスポーツの楽しさ、障害者への理解が進みます。20年までに『あすチャレ!』という言葉が当たり前になっているよう、広めていきたい」と語りました。引き続き、池崎選手、廣瀬選手が車いすラグビー、ボッチャの競技を実演して、競技の醍醐味や楽しさをアピールしていました。

後半の会見では、バリアフリー地図アプリの発表に移りました。まず、大野修一・日本財団常務理事が、スマホを使ってバリアフリーの情報を自由に投稿、閲覧できるソフトを株式会社ミライロと共同開発した経過を説明し、アプリの利用を開始したことを宣言しました。

大野理事は「車いすの方はもちろん、障害のない人も使ってもらえるよう、広めていただきたい。テスト用のデータは1万6千件入っているが、20年までに100万件のデータのエントリーを目指しています」と述べました。言語は日本語版と英語版を開発し、次はスペイン語版を開発する計画です。また、ビーマップ・サポーターを募集し、会社や地域単位で登録するよう呼びかけていく方針です。

続いて、ミライロの垣内俊哉社長が「障害者の必要な情報は段差の有無だけではない。コンセントはあるかどうか、クレジットが使えるかどうかも障害者にとっては必須な情報だ。電話して聞かなくても、アプリですぐわかるようにしたい。そして世界中のバリアフリーの情報を集めたい」と語り、利用者に協力を求めました。

このあと、マツコさんが実際に車いすに試乗し、高さ10cmの段差を乗り越える体験をしました。マツコさんは「車いすに乗ったとたん、段差が山のように感じた。まず車いすに乗ってみることが大事ですね」と話していました。

発表後、質疑応答が行われ、学生記者らがバリアフリー地図アプリの利用法などについて質問していました。

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