第9回政治山調査「東京都議会議員選挙に関する意識調査」(2/3)  |  政治・選挙プラットフォーム【政治山】

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支持政党で民主党が維新を逆転、猪瀬都政は評価が分かれる

第9回政治山調査「東京都議会議員選挙に関する意識調査」(2/3) (2013/6/14 政治山)

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政治山ではこれまでの調査で、定点観測的に支持政党や投票先を選ぶ際のポイントなどを聞いてきた。今回は、都議選の投票行動を聞くとともに、夏の参議院議員選挙の前哨戦として、有権者にどのような変化が現れているのかを調査した。

支持政党で民主党が維新の会を上回る

 現在の支持政党と、都議選での投票予定者(候補者)の政党を聞いた(グラフ4)。過去の政治山調査との対比で見ていくことにしよう。支持政党では、「支持政党なし」などを除くと、自民党が25.3%で最大となった。これは、前回の第8回政治山調査「ネット選挙とSNSに関する意識調査」(2013/3/15掲載)の25.9%からほぼ横ばいである。2011年5月に掲載した第1回から20112年12月の第7回までは10%台で推移していたことから、安倍内閣になり支持が広がり、かつ安定してきていることがうかがえる。

 今回、注目されるのが、民主党と日本維新の会(以下、維新の会)の再逆転現象だ。維新の会が調査対象となったのは2012年10月の第5回から。その第5回は、維新の会4.5%に対し民主党4.7%と、かろうじて民主党が上回っていた。しかしその後、第6回(2012年11月)で維新の会8.8%、民主党6.1%と逆転。第7回(2012年12月)では、維新の会11.5%、民主党5.8%とその差が広がった。しかし、第8回(2013年3月)で、維新の会9.6%、民主党7.6%と差が縮まっていた。今回の調査では、維新の会3.9%に対して民主党は5.1%と、再逆転したことになる。

 投票予定先は、多くの政党が「支持政党」から数字を下げている。その分「決めていない」が増加していることから、今回の都議選で多くの有権者が投票先を決めかねていることが分かる。「支持政党なし」と「決めていない」の合計は53.0%に上った。この数字は、これまでの政治山調査と比べても大きな差はなく、安倍内閣が高い支持を受けている一方で、選挙ごとに投票先を検討する層はあまり変化していないことが分かる。

graph4

猪瀬氏投票者で高い自民支持

 前ページのグラフ3Aの猪瀬氏に投票した人と、猪瀬氏以外に投票した人が現在、どの政党を支持しているかを集計したのがグラフ4Aグラフ4Bだ。グラフを見れば一目瞭然だが、猪瀬氏に投票した人の自民党支持率は38.1%と、全体平均から大幅に伸びている。これは投票予定先でも同様だ。また、維新の会の支持が大きいことも特徴といえる。維新の会の共同代表を務める石原慎太郎氏と猪瀬氏の関係性を考えると理解できる結果と言える。

 猪瀬氏に投票しなかった人の支持政党を見ると、逆に自民党支持(14.7%)が大幅に減っている。また、公明党と維新の会(ともに1.7%)も減らしている一方、民主党支持が10.5%と大幅に伸長、共産党も10.5%と高い支持を受けている。これは、投票予定先も同様な傾向となっている。

graph4A-B2

「医療・福祉の改善」と「震災対策」がポイント

graph5-2 次に、今回の都議選のポイント(投票先を決める際に重要視する政策)を聞いた結果がグラフ5だ。ここでは3つ以内の複数回答で調査を行った(回答はグラフ1の設問で、投票に「行かない」を選択した人は除いた)。

 最も多かったのが「医療・福祉の改善」で37.7%、次いで「震災対策」(36.1%)である。さらに、「少子・高齢化問題」(31.7%)、「雇用問題改善」(31.2%)と続き、この4つが30%を超える回答を得た。

 同様の調査は第6回でも行なっている(設問は「都知事が就任後、まず取り組むべきこと」)。第6回と比べると「少子・高齢化問題」と「雇用問題改善」が多少、減っているものの、「医療・福祉の改善」「震災対策」とともに都民の関心事であることは変わっていない。

 今回は、新たに「お台場カジノ」構想や「都バス24時間運行」などの“猪瀬都政”が打ち出した取り組みも選択肢に入れたが、賛否ともに10%を超えることはなく、大きな関心事になっていないことをうかがわせた。また、招致活動が最終段階に入っている「オリンピック招致」を選択肢から外したが、自由記述の「その他」で「オリンピック反対」を挙げる人も見られた。「その他」ではこれ以外に、「議員や職員定数削減」「都民税減税」などがあった。

候補者は「実行力・行動力」で選ぶと半数以上が回答

graph6 グラフ6は、投票先の候補者を決める際に、どこに注目するかを調査したものだ。回答は3つまでの複数回答とした(ここでも、グラフ1の設問で、投票に「行かない」を選択した人は対象外)。この設問も過去の政治山調査で実施しているので、対比しながら見ていくことにしよう。

 一番多くの回答を得たのが、半数以上の人が選択した「実行力・行動力」(51.2%)だった。これは第5回第7回と同様の結果である。ただ、前2回よりも割合を下げており、全体として分散した印象だ。2番目に「政策・提言」が来るのも過去の調査と同じだ。今回は41.0%と、こちらも前2回よりも下げている。一方、3番目の26.2%を集めた「将来ビジョン」は、第7回(24.8%)から割合を上げた(第5回は選択肢なし)。

 以下の「思想・信条」(21.5%)、「リーダーシップ」(21.0%)、「所属政党・会派」(20.1%)、「人柄」(18.7%)、「実績・経験」(18.3%)、「発言力・影響力」(18.1%)まではほぼ横並びとなり、これもこれまでの調査と同様の傾向となった。

◇       ◇       ◇

 次のページでは、投票先を決める際にインターネットがどのように利用されているかを調査した結果をご紹介する。上記グラフ6の候補者を選ぶポイントの情報をどこで入手するのかなど、ネット選挙解禁を前にインターネットと選挙の関わりを見ていくことにする。

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