第42回政治山調査「自民22.7%、希望11.3%、比例投票先4割の女性が態度未定」 (2017/10/6 政治山)
2012年12月の発足からおよそ5年、安倍政権は国民からどのように評価されているのでしょうか。政治山では、政権運営と政策課題への取り組みに対する評価が、来る衆院選にどのような影響を及ぼすのか、全国の18歳以上の男女を対象に9月29日から10月1日まで、インターネット意識調査「政治山リサーチ」を用いた調査を実施しました(回答数885)。今回はその概要をお届けします。
安倍政権への評価は男女差ハッキリ
まずはじめに、「2012年12月の安倍政権発足から約5年、この間の政権運営をどのように評価しますか?」との問いに対して、「評価する」10.2%と「どちらかというと評価する」25.5%を合わせて35.7%が肯定的でしたが、「評価しない」26.0%と「どちらかというと評価しない」21.7%を合わせた47.7%が否定的でした(グラフ1)。
これを回答者の性別ごとに見てみると、「評価する」または「どちらかというと評価する」と回答した男性は44.8%なのに対し、同様の回答をした女性は26.5%にとどまり、男性よりも女性の方が厳しい評価をしていることがうかがえました。
10代と30代はやや高め、40代は厳しく評価
さらに年代別で見てみると、10代と30代は肯定的な評価と否定的な評価の差がわずか(1.9ポイントと3.6ポイント)でしたが、40代では否定的な評価が20.4ポイント、50代以上でも15ポイント以上上回る結果が得られました。
全体的に年代が上昇するにつれて否定的な評価も増加し、「分からない/答えたくない」と回答する人の割合は減少する傾向が見られました。
比例区では自民優勢も、4割の女性が態度未定
次に、「今度の衆議院総選挙の投票先(比例区)をお聞かせください」との問いには、「自由民主党」と答えた人が22.7%ともっとも多く、小池百合子東京都知事が代表を務める「希望の党」が11.3%、「日本共産党」が6.3%と続きました(グラフ2)。
これを性別ごとにみると男性は投票先を決めている割合が比較的高く、女性は「決めていない」39.2%と「投票しない」17.9%と回答した人が多いという結果が得られました。
民進支持層の希望への投票意向は36.6%
さらに2016年7月の参院選の投票先と合わせて見てみると、前回と同じ政党に投票する人の割合は、自民63.8%、公明48.8%、維新22.8%、共産50.0%、社民30.0%でした(表1)。
また、参院選で維新に投票した人の15.8%、民進に投票した人の36.6%が希望に投票すると回答している一方、いずれも4割以上が投票先を「決めていない」と答えており、調査実施翌日の10月2日に設立された立憲民主党(枝野幸男代表)の動向も注目を集めています。
今回の調査結果では特に女性の、安倍政権への厳しい評価が際立ちましたが、投票先としては自民党が抜きんでている現状がうかがえました。政権選択の受け皿として注目される希望の党は、民進党との合流が難航し公認候補者の発表が遅れたのに加え、具体的な政策の提示にはまだ時間がかかりそうです。
前回2014年12月の衆院選と比べると、民主党が民進党に、維新の党が日本維新の会に、次世代の党が日本のこころに、生活の党が自由党に改称し、候補者擁立を見送る政党もあります。残り約2週間という短い期間で、各党はどこまで理念や政策を届けることができるのでしょうか。衆院選は10月10日公示、22日投票です。
<調査概要>
調査対象者 | 全国の18歳以上の男女 |
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回答者数 | 885人 |
調査期間 | 2017年9月29日(金)~10月1日(日) |
調査手法 | インターネット調査(政治山リサーチ) |
調査実施機関 | 株式会社VOTE FOR |
- <著者> 市ノ澤 充
- 政策シンクタンク、国会議員秘書、選挙コンサルを経て、2011年株式会社パイプドビッツ入社。2017年3月株式会社VOTE FOR設立にあたり代表取締役に就任。政治と選挙のプラットフォーム「政治山」の運営と、インターネット投票の研究と啓蒙啓発を行う。