[福島・相馬市]NPOが長期にわたって行う 子どもと家族のための心のケア (2020/2/10 マイ広報紙)
この記事は「広報そうま (令和2年2月1日号)『特集 子どもと家族のための心のケア』」を紹介し、コメントしたものです。
福島県相馬市の広報紙『広報そうま (令和2年2月1日号)』に、「子どもと家族のための心のケア」という特集が組まれていました。記事には、東日本大震災により生じたPTSD(心的外傷後ストレス障害)対策として、相談や心のケアなどを行っているNPO法人相馬フォロアーチームが紹介されていました。
相馬フォロアーチーム設立されたのは、なんと東日本大震災直後の2011年4月末。心のケアの支援を目的として、臨床心理士や保健師、大学関係者臨床心理士などがチームを組み、同年6月にはNPO法人化されて、避難所や学校を訪問したそうです。
あれからもうすぐ9年。NPO法人相馬フォロアーチームは、今なお活動しています。その後、2014年に作られた心のケア・学力向上・情操教育・芸術活動の拠点となる施設「LVMH子どもアート・メゾン」で活動していたものの、同施設が昨年の台風19号などにより床上浸水したため、現在は「相馬愛育園」内で活動しているといいます。
震災直後、知り合いの心理学者の方にお目にかかった時、これから長期にわたる心の支援が必要であると、切々と語られていました。その後、彼も現地に飛び、今なおいろいろな支援をされています。私たちは、天災も人災も、それが起きた時には心を痛めても、日々の生活の中で過去のものとなってしまいがちです。しかしこうしたアクシデントがもたらす変化は、その場にいた人にとって、点ではなく、線で存在するものであり、“その後”に関心を寄せていく必要があるのだと考えさせられました。
翻って今を見てみると、新型コロナウイルス関連肺炎が世界各地で猛威を振るっています。今なお、客船から降りられない人がいたり、流行の恐れは各地で差別や分断をうみだしたりしています。病気から回復しても、心のケアが必要になるかもしれません。
のど元過ぎれば…ではなく、NPO法人相馬フォロアーチームの活動のように、私たちも線としていろいろな災害、事件、事故をとらえ、支援がどこまでできるかわかりませんが、せめて心を寄せていきたいものです。
- [筆者]「子供のお金教育を考える会」代表、文部科学省消費者教育アドバイザー、神奈川県消費生活審議会委員、経済教育学会理事 あんびるえつこ
- [参考]広報そうま (令和2年2月1日号)
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