[長崎・大村市]平成30年度一般会計決算について (2019/11/29 マイ広報紙)
この記事は「広報おおむら 2019年12月号(No.1484)『平成30年度決算の概要と令和元年度の予算執行状況など大村市の財政事情を公表します』」を紹介し、コメントしたものです。
自治体の予算について、その執行後に議会で決算審査が行われます。議員によって予算の執行結果がチェックされるのです。この決算審査は9月に開催される議会で行われることから、その結果の報告に関する記事が11月の広報紙面に数多く見受けられました。
そのひとつが長崎県大村市です。
数多くの自治体の広報紙で決算審査の結果に関する記事が掲載されている中で大村市を取り上げるのは、大村市議会が平成30年度一般会計決算を不認定としたからです。
記事では、「令和元年第4回市議会定例会において、平成30年度一般会計決算が不認定となりました。」と書かれていますが、決算の不認定は珍しい事態です。
不認定になったからといって、執行済の予算には影響を及ぼしませんが、議会から不認定とされたことは大変重いことです。
大村市議会での議論は議会の会議録でも確認できますが、不認定とされたのは一部の予算執行について議会としては承認しにくい事柄があったからです。ですので、大村市の広報誌の記事にも掲載されている予算の執行状況の大半に何か間違いがあったわけではなく、記事中にある予算の執行状況などは基本的にそのまま正確な情報として受け取って問題のないものです。ただ、市議会議員から疑問を突き付けられた執行が一部にはあったことには留意する必要があるでしょう。
自分の住む自治体の予算はどのように使われたのか。議員によるチェックがなされていて、時には大村市議会においてなされたように不認定となることもありますが、何よりも一人一人が関心をもってその状況を確認したいところです。
- [筆者]東京工業大学環境・社会理工学院研究員/本田正美
- [参考]広報おおむら 2019年12月号(No.1484)
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