[富山県]人の移動を助ける「とやまロケーションシステム」に期待! (2019/10/14 マイ広報紙)
この記事は「県広報とやま 2019年10月号『特集2 とやまロケーションシステム -バスをもっと便利に!-』」を紹介し、コメントしたものです。
オリンピックを前に、私の住む東京は早くも外国人観光客が増え、よく道を聞かれたり、話しかけられたりするようになりました。魅力的なところはどこか聞かれた際に、私がお勧めしているのは富山県です。富山県は、新幹線で東京から2時間ちょっとと近いのに、自然が美しいだけでなく、独特の地形を有する富山湾から上がるおいしい魚介類が楽しめるからです。仕事で訪れて以来、私はすっかりその魅力の虜になってしまいました。
しかし、多くの地方都市と同じように、外から来たものが公共交通機関を利用するのは難しく、私も何度も行きたい場所をあきらめ、新幹線が留まる駅周辺だけで帰ってきていました。今回、ご紹介するのは、そんな問題を解決してくれそうな「とやまロケーションシステム」です。
富山県の広報紙『県広報とやま 2019年10月号』に紹介されていた「とやまロケーションシステム」は、パソコンやスマートフォンなどから、バスの現在の位置をリアルタイムで知ることができるというもの。バスの運行状況や地図上でバスの位置を確認できるので、いつ到着するのかイライラして待つこともなくなり、待ち時間を有意義に使うことができそうです。
また、バスで行くことができる沿線の観光施設などを地図上に表示してルート案内する機能や、施設の利用料金の割引情報なども提供する予定だといいます。これは観光客にとって、うれしい機能です。このシステムを利用することで、公共交通機関を上手に利用して安価に観光名所を巡り、その地方の魅力を堪能できることができるようになりそうです。
この「とやまロケーションシステム」は、なにも観光客のためのものではありません。バスなどの運行が限られている地方は、高齢者が自家用車を手放してしまうと、外出が困難になってしまうという問題があります。たとえ本数が少なくても、こうしたシステムによって利便性が高まれば、問題の解決に寄与することができるでしょう。政府が掲げる「Society 5.0」におけるテクノロジーによる社会問題解決の一端を垣間見たような思いがします。
願わくは、今後、英語など外国語に対応したり、高齢者や障がいのある方が使いやすいような工夫がされたりしていくことですが、まだこのシステムは試験運用期間を迎えようとしているところだそうです。本格運用は、2019年11月18日(月)から。今後の進展を楽しみにしています。
- [筆者]「子供のお金教育を考える会」代表、文部科学省消費者教育アドバイザー、神奈川県消費生活審議会委員、経済教育学会理事 あんびるえつこ
- [参考]県広報とやま 2019年10月号
- 関連記事
- 富山県の人口・財政・選挙・議員報酬
- [福島・いわき市]「カーシェアリング官民共創実証事業」を開始
- [東京・武蔵野市]公共駐輪場の利用状況をウェブで確認
- [横浜市]「AI運行バス」の実証実験を実施
- [石川・小松市]AIを利用した観光情報提供サービスを開始