[兵庫・太子町]「県民まちなみ緑化事業」 (2016/10/18 金井茂樹)
この記事は「広報たいし 2016年9月号『県民まちなみ緑化事業』」を紹介し、コメントしたものです。
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都市空間における“緑”は、環境の改善や周辺地域の景観との調和など地域住民に安らぎと潤いをもたらす重要な役割を担っているといわれます。自治体は、緑化講習会、屋上・生垣緑化、苗木の配付など緑化に関するさまざまな事業を展開しています。
今回は、緑化に関する記事の中から兵庫県太子町の「広報たいし」2016年9月号の「県民まちなみ緑化事業」を取りあげます。この事業は、兵庫県が平成18年からスタートさせたもので、環境改善や防災力向上を図るため、自治会や地域の方が行う植樹や芝生化などの緑化活動を支援するというものです。
支援の対象となる具体的な緑化活動は、
(1)一般緑化(植栽・生垣・修景)、校園庭・広場の芝生化
(2)駐車場の芝生化、建築物の屋上・壁面の緑化
となっています。
今回、この記事を読んで、“駐車場の芝生化”事業なるものを知りました。早速、インターネットで検索したところ、「アスファルト舗装などの人工被覆に替え、芝生等で緑化した駐車場」とあり、“グラスパーキング”といわれているそうです。兵庫県は、都市化の進行にともなうヒートアイランド現象への対応として駐車場の芝生化を積極的に進め、「普及ガイドライン」も公開しています。ただ、グラスパーキングをいかに長期間にわたって維持するかという課題もあるようです。
現在、多くの自治体では地域の特徴を活かした「緑の基本計画」を策定して、街の緑化に取り組んでいます。この計画は、公園・緑地の整備だけではなく、道路、河川、学校等の公共公益施設の緑化、民有地における緑地の保全及び緑化の推進まで、緑全般について将来の姿とそれを実現するための総合的な計画です。“緑化”は地域の人たちの暮らしの満足度を上げる要因ともいわれているので、家やマンションの購入の際の重要な情報源になるかもしれません。
☆国土交通省、都道府県、市町村は、10月1日(土)~31日(月)までの1か月間を「都市緑化月間」と定め、都市の緑化及び都市公園等の整備の推進に関する活動を行っています。
- [筆者]「自治体広報広聴研究所」代表、公共コミュニケーション学会会員、元自治体職員、東京都在住 金井茂樹
- [参考]広報たいし 2016年9月号