[静岡・御殿場市]広報紙の双方向性 (2016/7/28 本田正美)
この記事は「広報ごてんば 平成28年7月20日号『伝えるという支援…』」を紹介し、コメントしたものです。
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広報紙は、「作って、配れば終わり」という一方的なものではありません。受け取った人からのフィードバックがあり、その内容も変化していく、双方向性のあるメディアであるのです。
その双方向性が見て取れる記事が静岡県御殿場市の「広報ごてんば 平成28年7月20日号」にあります。「伝えるという支援…」という記事がそれです。
実際の広報紙を確認すると、この記事は表紙に掲載されていることが分かります。
御殿場市は、東日本大震災で甚大な被害を受けた岩手県大船渡市に毎年1人ずつ、職員を派遣しています。その派遣職員からのメッセージを市の広報紙に掲載したところ、それを読んだ市民から市に便りが送られてきたというのです。その市民からの便りが、「伝えるという支援…」には転載されています。
記事には「このお便りから、被災地の思いを、派遣職員を通じてみなさんに伝える、このような復興支援もあるのだと感じました。」という市からのコメントも添えられています。
広報紙が何か情報発信を行い、それを市民が受け取り、その感想や意見を送り返す。この双方のやりとりを介して、広報紙の担当者や市民が気づきを得る。その過程を通じて、広報紙もより豊かな内容を掲載するようになっていくのだと思います。
- [著者]島根大学研究機構戦略的研究推進センター特任助教、東京大学大学院情報学環交流研究員 本田正美
- [参考]広報ごてんば 平成28年7月20日号