【調査】海外を旅する中国人観光客、7割が「モバイル決済」を利用 決済導入で売上増に寄与 (2019/2/28 Airstair)
調査会社の「ニールセン」とオンライン決済プラットフォーム「アリペイ」が共同で実施した調査によると、海外を旅行する中国人旅行者のモバイル決済利用率が69%であったことが明らかになった。
ミレニアル世代のモバイル決済利用率も69%であるが、1970年から1979年の間に生まれた中国人旅行者も68%が海外旅行中にモバイル決済を利用すると回答。モバイル決済がミレニアル世代に限らず、他の世代にも広がりつつあるようだ。
海外を旅行する中国人観光客のモバイル決済の利用増は、モバイル決済を決済手段として導入する海外販売店の売り上げ改善にも寄与している。
モバイル決済を利用する中国人旅行者の増加とともに、中国人海外旅行者の平均予算や実際の出費も増加。アリペイ導入後、海外販売店の58%で来店数が増加し、56%は売上が改善したと回答した。
本調査は、2018年の海外旅行経験者および1年以内に海外旅行を予定している中国人旅行者2,806名と、中国人海外旅行者に人気の1,244店(シンガポール、マレーシア、タイにある)を対象に、ニールセンとアリペイが共同で実施した。
日本でのモバイル決済利用率は7割
海外を旅行する中国人観光客によるモバイル決済利用は、日本も例外なく世界中で顕著にみられる傾向であることがわかった。
本調査によると、日本を旅行した中国人の70%がモバイル決済を利用し、米国とカナダの61%、英国、フランス、ドイツの60%、オーストラリアとニュージーランドの68%のいずれをも上回った。
シンガポールやタイ、マレーシアへ旅行した中国人のモバイル決済利用率も約75%と高く、東南アジア諸国や日本を中心に中国人向けモバイル決済の導入で多くの恩恵を受けているようだ。
シンガポール、タイ、マレーシアで調査対象となった小売業の90%は、中国人客にモバイル決済できるかどうかを尋ねられたという。また、93%の中国人は、モバイル決済が広く利用できれば出費額も増える可能性があると考えている。
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