強みを最大限に生かすための採用基準で即戦力化 (2018/9/5 瓦版)
【集中連載】歪な外国人労働者受け入れが招く、日本の末路Vol.4
<外国人労働者が活躍する職場の実態其の二>
ビーロットの事例
投資用不動産をワンストップで提供するビーロットはインバウンド戦略の強化を目的に海外投資家向けの人材として、外国人材の採用を実施している。
まさに戦力としての採用だが、実は目的が明確なほど外国人採用は成功確率が高まる。その理由のひとつとして、外国人材は採用は自分が必要とされているからと考えているから。もうひとつは、いい意味でビジネスライクであり、役割が明確なほど仕事へも集中して取り組む傾向があるからだ。
同社では、こうした外国人材を最大限に活用する土壌づくりを緻密に行っている。どうしても疎遠になりがちな関係性は定期的なコミュニケーションの場づくりで補完。さらに評価面でも、自国ネットワークを活用すれば高い評価を与える仕組みを取り入れ、モチベーション向上を戦略的に刺激するようにしている。
必要とされ、活躍の土壌が整備され、その強みをしっかりと評価してもらえるため、同社では採用人材は確実に戦力化。結果的に社内でも海外展開への可能性が視覚化され、活気が生まれている。対日本人ならドライな印象もあるスキル&成果ベースのアサイン。だが、同社ではむしろ自然に受け入れられ、職場にいい意味の緊張感が充満している。
「労働力が減少傾向にある中、今後外国人材の活用は拡大していく必要があると考えています。今後のグローバルビジネス、さらにはイノベーション、組織活性、多様な視点などの点でもこれからの日本社会・企業において非常に重要な存在であり日本経済活性化のために外国人材受け入れ及び定着を支援することになる推察します」と同社では外国人材のポテンシャルを最大級に評価。今後も採用を強化していくという。
トップランクの事例
同様に外国人材のポテンシャルに期待し、積極的に採用しているのはトップランクだ。同社は輸入車の新車、中古車販売の他、自動車業界に特化した転職支援事業などを行う。
「海外で中古車販売なども手掛けているため、ビジネスを世界へ展開する上で外国人は欠かせません。商談では日本人より現地の人間の方が有利なことも多いですから」と同社人事部長の小野寺信治氏。海外展開する中で、必然的に外国人材を活用している。
外国人の強みに着目し、同社がその採用を行っているのはある意味ビジネスライク。いずれ母国へ帰ることを想定しつつも、育成には惜しみなく労力を注ぐ。まさに情けは人の為ならず。帰国後もそれがネットワークとなり、自社の強化につながることを踏まえているからだ。その意味ではいかに会社としてビジョンを明確にするかが、外国人を戦力として最大限に活用するためには重要といえる。(続く)
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