常識に囚われないことが“正しい”といえる合理的な理由 (2018/7/9 瓦版)
変人・安田の境目コラム
正しいことは固定化されない
宿題をやらせると、むしろ頭が悪くなる。ということが最近の研究で分かってきたそうです。答えを暗記する学習には意味がない。むしろ本人の好きなことや、得意な分野を伸ばした方がいい。それが昨今の風潮。
いやいや、今更かよと言いたくもなりますよね。でも私は言いません。暗記も宿題もやらなかったから。先生には怒られてばかりでした。君の考えはおかしい。みんなに迷惑をかける。言われた通りにやりなさい、と。
勉強だけではありません。中学生の時には部活を3日でやめました。先輩が横暴だったから。文句を言ったら殴られたから。そんなのは、我慢して当たり前。当時はそう言われました。でも今だったらパワハラと言われて大問題になります。
どちらが正しいのか、という問題ではないのです。正しいことは固定化されない。時間とともに変化する、ということ。
頼るべき最も精密なセンサーとは
昔は駅で普通にタバコを吸っていました。ポイ捨ても当たり前。飛行機の禁煙席に座っても、前の座席の人は吸っている。
今だったら、とんでもないこと。でもその当時は普通のこと。その逆もあります。当時はとんでもなかったこと。でも今だったら、ごく普通のこと。
受験せずに留学した時も、20代で起業した時も、オフィスにラウンジを作った時も、周りからは異様な目で見られました。でも今だったら普通のことばかり。
周りがどう思うか。そんなことは、どうだっていいのです。何をやれば安泰か。そんなことは、誰にも分からないのです。ではどうすればいいのか。
指針は外側にはありません。それがあるのは自分の内側。やりたいことをやる。やりたくないことはやらない。私たちが頼るべき最も精密なセンサー。それは自分の心なのです。
<プロフィール>安田佳生(ヤスダヨシオ)
1965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ)は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。
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