交通事故被害、提示された示談金額が安い!弁護士に頼むと赤字? (2018/2/22 JIJICO)
交通事故の示談金に納得できない場合は弁護士に相談がおすすめ
不幸にして交通事故に遭われた際には、加害者側の保険会社から示談金の提示があります。その金額が安くて納得できない場合はどうすれば良いでしょうか。結論から言うと、弁護士に相談し、依頼すべきです。
交通事故被害金額の計算には二重基準がある
弁護士に相談すべき理由は、交通事故の被害金額(賠償金額)の計算方法は二重基準となっており、任意保険基準と裁判基準の2つがあるからです。
任意保険基準とは、各保険会社内部において定めている計算基準であり、裁判基準とは、裁判になった場合に判決で言い渡されるであろう計算基準です。
そして、多くの場合において、裁判基準が任意保険基準を相当上回るのです。被害者に弁護士が付いた場合には、その弁護士は、加害者側の保険会社に対して、裁判基準に基づいて交渉をし、それに近い金額で合意することになるのです。
ですから、弁護士に依頼すれば、保険会社提示の示談金額を相当上回る金額で示談が成立する可能性が高くなります。
弁護士に依頼しても裁判まで至る可能性は低い
弁護士に依頼すると裁判になるのでは・・裁判まではしたくない、というご意見もあるかと思います。しかし、山下江法律事務所の場合ですが、裁判にまでなるのは全体の約10%程度であり、ほとんどは交渉にて解決しています。
また、裁判にするかどうかは、最終的に依頼者の希望に添いますので、弁護士に頼んだからと言って裁判になるわけではありません。
弁護士に相談しても赤字にならないか?特約がなくても大丈夫?
弁護士に頼むと弁護士費用が高いので赤字になってしまわないか心配という声も聞きます。被害者が弁護士費用特約に加入している場合は、加入している保険会社から弁護士費用が支払われますので心配はいりません。
また、弁護士費用特約に加入していない場合でも、加害者側からの賠償金額・保険金額を上回るような弁護士報酬はいただかないという法律事務所も多く存在します。私のところも同様の方針です。
また、山下江法律事務所では、損害額が少なく費用倒れで赤字になりそうな事案については、他の方法を提案しています。また、相談料ですが、多くの事務所で無料としています。
交通事故に遭ったらまずは弁護士に相談するのが良い理由
最もおすすめしたいのは、示談金の交渉時よりも前、交通事故に遭われたらまずは弁護士に相談ということです。特に後遺障害の認定においては担当医の判断が大きく影響し、損害額の計算においても治療経過が影響します。
最初の段階から弁護士に相談し、どのような治療方針をとるべきかなどを検討すべきと思います。交通事故に遭ったら、警察・保険会社に連絡するとともに、是非とも早い段階で弁護士に相談されることをおすすめします。
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山下 江/弁護士
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