忘年会のシーンでパワハラなどの失敗をせずに済むコンプライアンスとは?  |  政治・選挙プラットフォーム【政治山】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
トップ    >   記事    >   忘年会のシーンでパワハラなどの失敗をせずに済むコンプライアンスとは?

忘年会のシーンでパワハラなどの失敗をせずに済むコンプライアンスとは? (2017/12/18 JIJICO

会社の忘年会、参加強要はパワハラ?

仲間内での集まりや忘年会は楽しいけれど、会社や地域の「忘年会」と聞くと、ウキウキする方がいらっしゃる一方で、気持ちが重くなる、出たくない、と思う方もいらっしゃいます。

“「忘年会の参加強要」は、6割の人がパワハラと感じる” こんな調査結果がありました。
*出典:日本法規情報株式会社2016年調べ

乾杯

人間関係が希薄になっていると言われる現代、忘年会や社員旅行など、昔は「社員同士が交流を図る機会」として当たり前に開催されていたことが、当たり前でない時代になっています。

主催側は、1年の労をねぎらい、日頃中々話す機会が無い人同士が、顔を合わせて話をすることで、社内の人間関係がより良いものになれば~そんな意図で開催するのですから、ひとりでも多くの社員に出て貰いたい、と思うわけですが、社員の中には“仕事時間以外は束縛されたくない、会社の人と一緒に居たくない”と感じる人もいる、それが現実です。

けれども、食事や軽いお酒の力で緊張もほぐれ、楽しい時間になるというのも一つの事実です。こういった機会がきっかけ親しく話ができるようになったり、仕事がしやすくなった経験を持つ方も多いと思います。

パワハラ・セクハラにならずに忘年会を気持ちの良いものにするには?

多くの方が、なんとなく煩わしい面があるものの、コミュニケーションを図るために意味がある、とも理解している忘年会などの飲み会を少しでも気持ち良い集まりにするために、気を付けるべきポイントを書いてみたいと思います。

1.強制参加でなく、あくまで自由参加
強制でないと言いつつ、出ないといけない雰囲気が漂うと、パワハラだと思われてしまいます。あくまで参加は自由意志であることを明確にしましょう。

2.それ、パワハラです
~ハラスメントの基本事項は、「相手が不快だと感じることをする」~
新人だから、女性だからと、「飲酒」の強要やお酌の強要をされて不快な思いをした経験がある。職場の上司や同僚から言われて拒絶もできないので、やんわりと曖昧にやり過ごして我慢した経験がある方も多いでしょう。拒絶しない=YESではないと覚えておいてください。アルコール分解代謝酵素を持たず体質的に飲めない方も確実にいらっしゃいますので、強要はハラスメントだけでなく危険な行為です。

3.これくらい良いよね?いえ、セクハラです
~ハラスメントの基本事項は、相手が不快だと感じることをする~
パワハラと同じく多いのがセクハラ。

アルコールが入るとやたらとボディータッチしてくる、
女性が聞きたくない下ネタを延々聞かされる、話の反応を見られる
異性経験を聞かれる

男性からすると、酔っている時のことだから少しくらい羽目を外しても問題無い、無礼講だから…と考えているかもしれませんが、完全にアウト=セクハラです。

せっかくのコミュニケーションをとる機会ですから、節度をわきまえて本来の、「お互いの労をねぎらい、良い交流を図る」目的を忘れないようにして、楽しい機会にしたいものです。

*文中では、男性から女性の例を挙げましたが、女性から男性の場合もあります。主語を置き換えてお読みください。

提供:JIJICO

著者プロフィール
松下 純子/キャリアコンサルタント

松下 純子/キャリアコンサルタント
人事・マネジメント経験を生かし、公平な立場でサポートします
10年以上の人事経験、20年近いマネジメント経験から、会社側、社員側の偏りなく、公平な視点で企業研修を行っています。結婚、出産、子育て等、女性のライフイベントに基づいたキャリア形成サポートも承ります。

関連記事
再び注目 職場での「飲みニケーション」 その効果とは?
判例から読み解く「企業内アルコールハラスメント」
裁判例に見るマタハラの違法性について
セクハラ指針の改正と使用者が防ぐべきセクハラの内容
日本酒に革新を生む20代チーム―老舗酒造の最年少社長、伝統に挑む