中国のビットコイン取引所に新たな動き、「P2P」強化へ (2017/11/7 ビットコインニュース)
中国政府により閉鎖に追い込まれていた中国国内のビットコインの各取引所は、ビジネスモデルの変更を余儀なくされていた。中国政府は今年9月より、ICO(イニシャル・コイン・オファリング)をはじめとした仮想通貨の取引の禁止に乗り出しており、中国国内の取引所は10月末日をもって取引業務を停止していた。
北京に本拠地を構える取引所OKCoinとHuobiは、それぞれ香港に別法人を有している。OKExとHuobi Proは先月31日、取引所を介さず個人間で直接取り引きを行うことができるP2Pの取引プラットフォーム・サービスの提供を開始すると発表した。香港は中国の特別行政区域で、中国本土の規制の直接的な影響が限定される。P2Pの取引プラットフォームには人民元も含まれているようだ。
OKExによると、取引所の閉鎖後もビットコインを含む仮想通貨への投資需要は衰えていないという。11月1日より開始したP2Pの取引サービスの影響からか、すでに約1万人のアカウント登録の増加があったとのことだ。
Huobiのリン・リー最高経営責任者(CEO)は、「P2Pの取引プラットフォームの提供開始とともに、中国国外での取引所の設立を目指している」とも語った。Huobiは韓国での取引所の設立を目指しており、現在は設立のためのプロセスを進めている段階のようだ。
中国の取引所閉鎖後、OTC(店頭取引)における人民元建てビットコインの取引のシェアが伸びている。中国でよく使われるコミュニケーション・ツール、QQ(キュー・キュー)、Wechat(ウィーチャット)、Slack(スラック)などを使って取引相手を見つける。支払い方法には、銀行振り込みやアリペイなどが使われているようだ。
個人間取引をしたいユーザーをマッチングさせるサービスを提供するLocalbitcoinsによると、この2週間で680百万元(約116億円)の取引量が記録されていることがわかる。全体のOTCの取引量は前月比で70%ほど増えており、数字から推定すると、ビットコインへの需要は依然高いようだ。
中国政府はマネーロンダリングやキャピタルフライトなどの懸念から、ビットコインなどの仮想通貨の取引所運営やICOの発行禁止を決断した。一方で、ビットコインは取引所を介さずとも、P2Pでの個人間取引が可能なため、ビットコインの取引は形を変え未だ行われているようだ。OTC取引量の増加を請けてか、国家インターネット金融安全技術専門家委員会は、先月27日に、中国国内におけるOTC取引に関するレポートを公開している。
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