民泊可否をマンション規約に明記を 国交省が8月にも要請 (2017/7/24 Airstair)
国交省は民泊受け入れの可否をマンション管理組合の規約に明記するよう、8月にも要請することを日本経済新聞が報じた。民泊をめぐっては全国で訴訟に発展するケースも相次いでいるほか、来年施行される住宅宿泊事業法を前にトラブルの増加を防ぐ狙いがある。
国土交通省が定める「マンション標準管理規約」には法的強制力はないものの、全国のマンション管理規約の大半はこの標準管理規約に沿ってに作成されている。同省では「マンション標準管理規約」のひな型を改め、新たな文言を加えて業界団体に周知徹底を図るよう要請。マンションにおいて、グレーゾーン的な民泊での利用を明確にする方針だ。
民泊新法の成立を受けて6月に「マンション標準管理規約」の改正(案)について国民から意見を募るパブリックコメントを実施するなどし、民泊の合法化を前にマンション標準管理規約の改正に向けた準備が着々と進められていた。
【「マンション標準管理規約」の主な改正点】
・「専有部分を住宅宿泊事業に使用できる/使用できない」
・新法民泊の実施にあたり管理組合への届出を求める場合の留意事項を提示
・家主居住型のみ可能とする場合の規定例を留意事項として提示
国交省では2016年11月にも、国家戦略特区内のマンションに対して民泊を「可能」「不可」とする2種類の管理規約の文案を作成した。民泊の可否を特区内にあるマンション管理組合に対して明示するよう要請。特区の対象自治体や不動産関連の業界団体に通達している。
今回、特区民泊に限らず、同省がマンション標準管理規約の改正を進める背景には、2018年1月をめどに施行される住宅宿泊事業法(民泊新法)がある。民泊新法では、各自治体への届け出や諸条件のクリアで、全国各地で民泊事業を運営することができるためだ。民泊の規制緩和が間もなく施行されることによって今後、多くのマンションでトラブルや混乱が起こることを防ぐのが狙いだ。
一部のマンションでは民泊の急速な普及を受けて管理規約を改正し民泊を禁止するような動きも見られるが、まだまだ一部のマンションにとどまる。東京や大阪では、マンション管理組合が管理規約に違反したとして民泊運営者を相手取り、訴訟を起こす例も起きている。国交省の今回の改正案によって、マンション管理規約に初めて民泊の文言が明記され、民泊ができるのか否かはっきりすることになりそうだ。
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