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[用語解説]政党、代表選

総裁-党首-委員長、各政党の代表選出方法比較 (2015/7/9 政治山)

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 2015年1月に民主党の代表選が行われ、9月には自民党の総裁選、10月には維新の党の代表選が予定されています。自民党は総裁、次世代の党と社民党は党首、共産党は委員長、それ以外の党は代表と政党によって呼び名は異なります。続いて、選出方法の違いを見てみましょう。

公選制でも「誰でも出られる」わけではない

 各党の代表は公選または非公選によって決定されますが、公選の場合は立候補するために一定の要件が定められています。

 多くは党所属の国会議員の推薦が必要とされ、自民党は20人、民主党は20人以上25人以内、公明党は10人となっています。社民党は都道府県連の推薦に加え、所属国会議員数の3分の1以上または党員200人以上の推薦があれば立候補できます。

 共産党は公選ではありませんが、党中央委員会の委員であることが要件とされています。

自民・民主は国会議員に比重、決選投票は国会議員のみ

 自民党は、国会議員は1人1票で、各都道府県が300票をドント方式で配分します(都道府県47×3票+159票を各都道府県の有権者数に応じて配分)。

 民主党は、国会議員1人2ポイント、党公認予定候補者(国政)が1ポイント。党所属の地方議員は全国を一つの比例代表区として141ポイントを配分。党員およびサポーターは、住所地の存在する都道府県を単位として各代表候補者の得票数に応じてポイントを配分します(当該県連に所属する、国会議員または公認候補予定者が代表者を務める衆議院小選挙区総支部、同比例区総支部、参議院選挙区総支部および同比例区総支部の数と同数のポイント)。

 いずれも国会議員の投票が重視され、決選投票については国会議員(民主党は公認予定候補者含む)のみ投票することができます。

社民党は「1人1票」、維新も検討中

 維新の党最高顧問である橋下徹大阪市長の提案により、国会議員も地方議員も党員も、等しく1人1票を有する制度を検討している維新の党ですが、この選出方法はすでに社民党で実施されており、現在の吉田忠智党首は2013年の党首選で9986票を獲得して党首に就任しています。

 公明党は代表選挙の細則等は非公開で結党以来無投票が続いており、共産党は党中央委員会によって選出されます。

 各党の代表選出方法はすべてが詳らかにされているわけではありませんが、代表は党の顔です。どの程度の情報を開示しているのかに加えて、立候補の要件や票の算定方法などから、その政党の成り立ちや本質に触れることができそうです。

各党の代表選出方法(最終更新:2015/8/11)

  自民党 民主党 公明党 維新の党
代表名称 総裁 代表 代表 代表
前回選出 2012年9月26日
(安倍晋三)
2015年1月18日
(岡田克也)
2014年9月21日
無投票
(山口那津夫)
2015年5月
(松野頼久)
次回選出 2015年9月 2017年9月 2016年9月 2015年10月
公選/非公選 公選 公選 公選 公選
候補者要件 党所属国会議員20人の推薦(97年までは30人、89年までは50人) 20人以上25人以内の国会議員の推薦 国会議員10人の推薦 党所属国会議員および首長、地方議員。ただし、国会議員5人、首長や地方議員30人の推薦が必要
国会議員数
2015年6月1日
時点
衆議院 291
参議院 114
計   405
衆議院 72
参議院 58
計  130
衆議院 35
参議院 20
計  55
衆議院 40
参議院 11
計  51
党員数 789,348人
(2012年)
218,508人
(2015年)
約410,000人
(2014年)
約9,000人
(2015年)
前回投票率 党員62.51% 党員・サポーター46.21%
票の算定 国会議員は1人1票で、都道府県が300票を以下の方法で配分する(都道府県47×3票+159票を都道府県の有権者によるドント方式で配分) 国会議員1人2ポイント、党公認予定候補者(国政)が1ポイント。地方議員は全国を一つの比例代表区とし141ポイントを配分。党員およびサポーターは、住所地の都道府県を単位として各候補者の得票数に応じてポイントを配分する 国会議員、地方議員、党員1人1票
決選投票 3人以上立候補していて過半数を得た候補者がいない場合には上位2者に対する決選投票を行う、投票資格は国会議員のみ 3人以上立候補していて過半数を得た候補者がいない場合には上位2者に対する決選投票を行う、投票資格は国会議員と候補者
  日本共産党 次世代の党 社民党 生活の党と山本太郎となかまたち 日本を元気にする会
代表名称 委員長 党首 党首 代表 代表
前回選出 2014年1月
(志位和夫)
2014年8月
(平沼武夫)
2013年10月
(吉田忠智)
2013年1月
(小沢一郎)
2015年1月
(松田公太)
次回選出 2015年9月 2016年2月 2016年1月 2017年1月
公選/非公選 非公選 公選 公選 公選 公選
候補者要件 中央委員 国会議員 A.所属の都道府県連の推薦
   +
B.所属国会議員の3分の1または党員200人以上の推薦
国会議員
国会議員数
2015年6月1日
時点
衆議院 21
参議院 11
計  32
衆議院 2
参議院 6
計  8
衆議院 2
参議院 3
計  5
衆議院 2
参議院 3
計  5
衆議院 0
参議院 5
計  5
党員数 約305,000人
(2015年)
約17,410人
(2013年)
前回投票率 71.67%
票の算定 ・国会議員は1人1票
・党所属国会議員の総数の2分の1を支部長(国政・地方)に配分し、支部長総数(国政・地方)を国会議員の総数の2分の1の数で割った数を1票とする(小数点は1桁までとし2桁目は四捨五入)
・党所属国会議員の総数の2分の1を一般党員に配分し、投票した一般党員総数を国会議員の総数の2分の1の数で割った数を1票とする(小数点は1桁までとし2桁目は四捨五入)
国会議員、地方議員、党員1人1票
決選投票
<著者> 市ノ澤 充
株式会社パイプドビッツ 政治山カンパニー シニアマネジャー
政策シンクタンク、国会議員秘書、選挙コンサルを経て、2011年株式会社パイプドビッツ入社。政治と選挙のプラットフォーム「政治山」の運営に携わるとともにネット選挙やネット投票の研究を行う。政治と有権者の距離を縮め、新しいコミュニケーションのあり方を提案するための講演活動も実施している。
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