「デフリンピック知って」、帯同し認知度アップ訴え (2017/7/20 タウンニュース)
聴覚障害者の国際スポーツ大会「夏季デフリンピック」が18日、トルコで開幕した。港南区大久保で整骨院を開業している山岸亮良さんが陸上競技のトレーナーとして帯同している。選手のベストな状況を整えようと支援する中、大会の認知度アップの必要性を訴える。
「パラリンピックと違って認知されていない。選手への補助が少なく、自己負担も多いため、出場を辞退せざるを得ない選手もいる。もっと認知度が上がって選手の環境が改善されるといい」と話す山岸さん。
デフリンピックは国際ろう者スポーツ委員会が主催する大会。夏季大会は1924年にフランスで開かれ、長い歴史がある。国際パラリンピック委員会が発足した1989年当時は国際ろう者スポーツ委員会も加盟していたが、デフリンピックの独創性を追求するために95年に組織を脱退した経緯がある。そのため、現在はパラリンピックに聴覚障害が参加できないという。
出会いは5年前
山岸さんとデフリンピックとの出会いは5年前。整骨院に棒高跳びの竹花康太郎選手が通い始めたのがきっかけ。山岸さんはスキーや自転車競技のトレーナーとしても活躍し、「筆談と口の動きでコミュニケーションできる。身体をみればコンディションはわかる」という。他の選手も山岸さんを頼って通うようになり、今回初めてデフリンピックへの帯同が決まった。
前回大会の女子棒高跳びで銀メダルを獲得した佐藤麻梨乃さん(横浜国大4年)も山岸さんの整骨院に通う一人。「今回は金メダルを取りたい。夢はプロのデフアスリートとして活躍し、この競技の知名度を上げていきたい」と話す。
山岸さんは「食事の栄養面から競技中の選手の命を守ることまで全てがトレーナーの役割。選手がいい結果を残せるようベストな状態をしっかりつくりたい」と現地に向かった。
大会は30日まで。陸上競技は23日から始まる。
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