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高齢者が生き生き暮らす街に 秋田駅前に建設予定のシニア向け高層ビルがスゴイ! (2017/6/30 nezas

秋田県は、全国最速のペースで高齢化が進む都市として知られています。県ではこの現実を踏まえ、高齢者が生き生きと暮らす拠点を作り、そこから地域を活性化させるCCRC事業に力を入れています。

このCCRC事業の一環として秋田県の北都銀行が2020年に計画しているのが、県外から移住してきた高齢者の入居を中心とした住宅施設と、複数の商業施設を組み合わせた、18階建ての高層ビルの建設です。その詳細を、秋田県が抱える課題に触れながら紹介します。

秋田駅前に建設予定のシニア向け高層ビル

CCRC事業とは

CCRCとは「Continuing Care Retirement Community」の略称で、高齢者が自らの希望に応じて地方に移り住み、地域社会において健康で元気に生活を送るとともに、医療介護が必要な時には継続的なケアを受けることができるような地域づくりを目指したものです。一般的な高齢者施設などとは違い、高齢者が健康時に主体的に移住し、仕事や社会活動に積極的に従事することがポイントです。

(日本版CCRC高層有識者会議『日本版 CCRC 構想(素案)』より)

(日本版CCRC高層有識者会議『日本版 CCRC 構想(素案)』より)

このような発想から生まれたのが、この高層ビル建設をはじめとするCCRC事業でした。

CCRCを実現するには、高齢者が地域社会に溶け込み、子どもや若者などと一緒に仕事や社会に取り組める環境をつくることが大切です。今回のビル建設では随所に高齢者と他世代が自然に交流できる工夫を凝らし、これを拠点として若い世代を呼び込み、地域を活性化させることを目指しています。

人口減少と高齢化が進む秋田県

秋田県では、1956年をピークに人口が減少し続けています(秋田県『秋田の課題と現状』より)。1993年には、全国で最も早く死亡率が出生率を上回りました。それだけでなく、転出者が多いことも深刻で、1950年以降ずっと転入者よりも転出者が多い状況です。秋田県の全体の人口減少数は、毎年1万人以上となっています。

働き手となる若い世代が減少していることも、長年の間秋田県が抱えてきた大きな課題でした。15~64歳の生産年齢人口が減少の一途を辿っています。これに対して65歳以上の老年人口は増える一方で、この層にかかる医療費の増大も問題になってきました。

こうした課題を解決するためには、若者の人口を増やし、高齢化を食い止めることが必要です。しかし、日本全体が人口減少の局面を迎える中、人口減少と高齢化にすぐに歯止めをかけることは難しいのが実情です。

そこで秋田県が考えたのが、若者の県内定着や少子化対策、子育て支援策などの施策と並行して、高齢化という現実を受け止めて高齢者が生き生きと過ごせる環境を作り、それを機軸に地域活性や世代間の交流を盛り上げていくことでした。

拠点は秋田駅前の18階建て高層ビル

今回CCRCの取り組みの一環として高層ビル建設を行うのは、北都銀行のパートナー企業である秋田不動産サービス株式会社です。地権者である北都銀行が現在の秋田駅前支店の老朽化に伴う移転計画を検討している中で、北都銀行の主導するCCRC事業と協働することになりました。

住宅施設と商業施設を組み合わせた18階建てのビルは、秋田駅前の北都銀行と秋田信用金庫の所有地に建てられ、2020年10月に完成予定です。秋田駅前という県内の中心地に建設することで、まちなか居住の推進にもつながります。

秋田県におけるCCRCの考え方を体現した「秋田版生涯活躍のまち構想」では、50歳以上の元気な高齢者を「アクティブシニア」とし、アクティブシニア層を中心とした地域活性化を目指しており、北都銀行もこれに賛同しています。住宅施設は分譲住宅と賃貸住宅に分かれ、分譲住宅には県外からの移住者を中心とした高齢者、賃貸住宅には高齢者のほか子育て世帯の入居も想定しています。また、商業施設部分には北都銀行と秋田信用金庫の支店や医療・介護のサービスを受けられるクリニック、保育関連サービスなどのほか、地域住民や入居者同士で気軽に語らえる地域交流スペースも設置される予定です。入居しているだけで自然に他世代との交流ができる体制が整えられています。

「多世代がつながり、安心できる暮らし」「誰もが住みやすい高付加価値な住まい」をめざして

マネープランを含めたライフプランニングや、いつでもしっかりとした医療ケアが受けられる環境は、豊かな生活を送るうえで欠かせないものでしょう。このビルには北都銀行や秋田信用金庫という金融機関による資産についてのサービスや、クリニックによる継続的な医療サービスが受けられるので、高齢者が安心して生活できる環境が整っています。また、ビルを拠点としたさまざまな地域活動に参加することができ、生きがいの創出効果も期待できるでしょう。

ビルを拠点として地域全体が交流する

秋田市中通地区まちづくり協議会

こうした効果は、ビル内のみにとどまりません。ビルに入っている金融機関である北都銀行と秋田信用金庫は、地域の保険会社や証券会社、リース会社と連携してさまざまなサービスを展開し、ビルを拠点とした地域全体の活性化を目指します。

また、ビルに入っているクリニックや調剤薬局などは、地域の大学や老健・介護施設、地域包括支援センターなどと連携した医療介護サービスを展開する予定です。ここに人が集まれば、周りの商業施設や交通機関もおのずと活性化していくでしょう。

高齢化という現実を否定するのではなく、プラスに捉えて生かすことで実現する地域活性化。このCCRC事業が成功すれば、子どもから高齢者までが生き生きと快適に暮らせる理想的な街づくりが可能になるかもしれません。

これからは他の地域においても、少子高齢化という現実を踏まえた地域活性化施策の検討が必要になるでしょう。

提供:nezas

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