FC今治の挑戦! サッカーチームと地域が協力 (2017/3/22 nezas)
愛媛県北東部の今治市に所在している「FC今治」というサッカーチームがあります。FC今治は、ホームタウンの愛媛県今治市をクラブ名としています。現在では、自治体をも引き込みその躍進ぶりから毎日雑誌やテレビなどのメディアでも注目を集めています。
今回は、そのFC今治が地域に根ざす内容について説明していきましょう。
地方の小さなサッカーチームからJリーグ加盟を目指すクラブチーム
FC今治は、全国地域サッカーチャンピオンズリーグ2016で優勝し、2017年度から日本フットボールリーグ(JFL)に所属することになりました。
1976年に大西サッカークラブとして創設されてから、愛媛FCしまなみという愛媛FCの下部組織時代を経て、2012年にFC今治へとなりました。地元のアマチュアクラブとして長い間活動を行ってきましたが、2014年の11月に日本代表元監督岡田武史氏がFC今治の代表に就任し、大きく変貌を遂げました。
クラブの目標として、2025年に「5人以上の日本代表選手を輩出する」、「J1で常時優勝争いをできるチームとなって、ACLで優勝を目指す」という具体的な長期ビジョンをもち、トップカテゴリを目指すクラブとして日々活動を行っています。
その他、社会貢献活動として、家庭でいらなくなった本や小物類、衣類など寄付してもらい、FC今治クリアファイルと交換するという活動を行っています。寄付品を資金にし、FC今治の活動費に当てる『エコDEサポート』というもので、社会貢献活動にも積極的に取り組んでいます。
行政を巻き込んだ5,000人収容できる新しいスタジアム
FC今治は、ホームスタジアム・練習グラウンドは桜井海浜ふれあい広場サッカー場という今治市桜井にある人工芝グラウンドを使用しています。ここは約2,000人の収容人数となっています。
今回、JFL加盟の条件として5,000人以上の収容スタジアムが必要でした。そのため、JFLへの加盟、将来Jリーグに進出するにあたり新スタジアムをつくることになりました。2017年の夏以降に完成し、その後はここがホームスタジアムとなる予定です。将来的には、J1加盟規定の1万5,000人まで大きくする計画となっています。
今回のスタジアム建設総工費は、およそ3億円という大きなプロジェクトとなっており、今治市の市有地を無償で借り受け、地元の企業の協力などにより建設が進んでいます。
スタジアム建設は、複合型施設として今までにないコンセプトで進められています。スタジアムの周りには、宿泊・娯楽施設、文化・教育施設、医療・福祉施設、災害拠点施設などが組み込まれており、経済効果も大きくなると見込まれています。
FC今治の経済波及効果は地元を潤す
FC今治の活躍は、クラブチームの枠を飛び越えて今治市役所の公式ホームページでJFL昇格が掲載されるなど、行政からも全面的サポートを受けています。このような地域の応援によって、幅広いジャンルの人たちから注目を集めるようになっているのです。小さな街の一つのチームだったFC今治ですが、メディアの協力、行政や地元の企業を巻き込むなど、活動は大きくなる一方です。
地方のサッカーチームの経済効果の例として、松本山雅FCの成功例を紹介しましょう。
松本山雅FCは、長野県松本市や塩尻市、山形村や安曇野市、大町市や池田町をホームタウンとしているJリーグに加盟するプロサッカークラブです。
2012年のJ2初昇格から地方のJクラブとして順調に成績をあげつつ、2015年シーズンにJ1への昇格を実現しました。その話題性や地域に与える影響力は、チームの成績の上昇と結びつき年々拡大しており、ファンの年齢層も幅広くなっています。松本山雅FCによる経済波及効果は、2014年度調べで年間およそ42.9億円の試算が報告されています。
勇気や夢をもたらすことを目標にさらなる躍進を目指す
FC今治では、2025年までにJ1で優勝争いを行うチームとなることを目指しています。日本代表への選手輩出や、観戦する人たちに夢や勇気、希望や感動、笑顔をもたらすことを目指し、さらなる躍進を目標としています。
FC今治は今後、財政面を含めた愛媛県の支援や観客動員、練習場の提供などソフト面でサポートしている行政と協力して、よりよい活動を行おうとしているのです。FC今治の今後の活躍に注目したいところです。
提供:nezas
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