不動産バブルは現在進行中?気をつけたいバブル崩壊4つの兆し  |  政治・選挙プラットフォーム【政治山】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
トップ    >   記事    >   不動産バブルは現在進行中?気をつけたいバブル崩壊4つの兆し

不動産バブルは現在進行中?気をつけたいバブル崩壊4つの兆し (2017/1/2 JIJICO

関連ワード : 住宅 金融経済 

不動産屋が気をつける4つのバブル崩壊の兆し

実感はないかもしれませんが、景気が上向いています。つい先頃の月例経済報告でも、景気は一段階上向きに修正されたばかりです。不動産屋の世界では30年前のバブル景気を思い出すのでしょうか、何でも2016年の流行語「神ってる」よろしく、「いまバブっている?」があいさつ代わりに使われているとか。

儲かるところには人は集まります。不動産を扱う業者数は、なんと9年ぶりに増加しました。従業者数、宅地建物取引者数も同様です。もう東京には「買いたい物件がない」と言われるほど物件が枯渇し、国際観光都市の京都では、相続税路線価の10倍で売買されていることもあるとか。この勢いは地方に広がり、いま地方都市が不動産投資のターゲットになっています。

地価上昇

そんな中、金融庁が、不動産ローン、特にアパートローンの実態調査に乗り出すとの報道がありました。金融庁は以前から、地方のアパートローンが過熱気味になっていると指摘をしています。今回は、銀行経由でアパートの事業計画書の提出も求めているのです。

思い起こせば30年前のバブル崩壊のきっかけは旧大蔵省が打ち出した「総量規制」でした。10年前、リーマンショックに端を発し、銀行は貸したカネを回収した結果、カタカナ系不動産会社がバタバタ倒産しました。浮かれる夜もそうは続きません。そこで、今回はバブル崩壊の前兆となる兆しを4つご紹介しましょう。

1.金融機関の変化

バブル崩壊は金融機関の貸し出し姿勢の変化を伴います。そして、金融機関は金融当局の指導の下にあります。前述のように、金融機関は不動産向けの貸し出しに積極的な中、金融当局によるチェックが入りました。しばらくはないかもしれませんが、いずれは金融引き締めも起きるかもしれません。そして、引き締めに政策転換した後では手遅れ、その前に、不動産を売却しなければなりません。

2.金利の変化

金融引き締めの前後には、金利の変化があるはずです。現在、マイナス金利時代と言われていますが、日銀はわずかずつ修正をしています。9月以降は「イールドカーブ・コントロール」と言う名前で、長期金利を0%付近に調整しようとしています。今後も少しずつ修正をしてくるはずですから、日銀の発表する表現にはアンテナを張っておきましょう。そういえば、海の向こうのアメリカの金利は少し上がってきましたね。

3.株式市場の変化

不動産は中長期的な投資であるのに対して、株式は短期的な投資に向いています。株式はいつでも売買できますが、不動産の売買には数ヶ月かかるからです。つまり、不動産市場が落ち込む前には、株式市場に変化が起きます。言い換えると、株式市場が突然下がり出すと、数ヶ月かかって不動産市場に影響するわけです。

4.怪しい売却話が舞い込む

30年前、10年前の経験を生き残った老練で勘のいい不動産屋は、崩壊する前に早逃げを打ちます。普段つきあいのない不動産屋から「こんな案件あるんだけど買わない?」という耳慣れない話があれば、それは、バブル崩壊の臭いに感づいたサインかもしれません。

いかがでしょうか?相場の頂点、バブルの頂点は、崩壊してからわかるもの。しかし、わかってからでは明らかに遅いのです。備えあれば憂いなし、ちょっとした変化に敏感になっておくことも大事かもしれませんね。

提供:JIJICO

著者プロフィール
中山聡

中山 聡/一級建築士・不動産鑑定士
わくわく法人 rea 東海北陸不動産鑑定・建築スタジオ株式会社
富山県生まれ。東京大学医学部を卒業後、信託銀行(現.三井住友信託銀行)、近畿大学工学部、不動産開発上場企業(現.日本アセットマーケティング株式会社)、早稲田大学大学院ファイナンス研究科招聘研究員、チームラボ株式会社、株式会社カレン、不動産コンサルティング企業にて、インターネットで不動産取引ができる環境づくりを中心に、研究開発室長、経営監査部長として事業開発、M&A、事業会社管理に携わる。2012年に帰省し、株式会社リアルブレイン不動産鑑定代表取締役を経て、現在、わくわく法人 rea 東海北陸不動産鑑定・建築スタジオ株式会社代表取締役。不動産鑑定士・一級建築士。執筆・著書に『ビジネス図解 不動産のしくみがわかる本(同文館出版)』『空き家の問題と不動産鑑定評価について(北陸不動産鑑定会会報)』『はじめてでもわかる不動産金融工学(雑誌「ルクラ」連載)』『不動産カウンセリング実務必携(日本不動産カウンセラー協会刊・共著)』などがある。

関連記事
今後も増える活用が難しい空き家!売却にも有利な賢い持ち家の選び方
礼金や更新料がなくなる?特殊な日本の不動産取引慣習に変化の兆し
国交省、マンションの管理規約に民泊可否の明記促す方針へ
「空き家」×「ゼロ円リノベーション」で人気の沿線を活性化
パチンコ税を導入し、ギャンブル依存症対策を―岡高志 大田区議
関連ワード : 住宅 金融経済