日本初のシェアリングエコノミーのカンファレンス「シェア経済サミット」開催 地方創生や課題解決目指す (2016/12/16 Traicy)
日本初のシェアエコノミーに関するカンファレンス「シェア経済サミット」(主催:シェアリングエコノミー協会、後援:内閣官房、経済産業省、総務省など)が、11月25日に東京・芝公園の東京タワーメディアタワー内「STAR RISE TOWER」で開催された。
政府は持続可能な社会の実現に向けた「日本再興戦略2016」の重点施策の一つしてシェアリングエコノミー推進を掲げており、Airbnb(エアビーアンドビー)やUber(ウーバー)、notteco(のってこ)、スペースマーケットなどのシェアリングエコノミーについて、国内外の有識者や自治体の首長らが登壇し議論する。鶴保庸介情報通信技術(IT)政策担当大臣がオープニングセレモニーに登壇した。アムステルダムやソウルなど、シェアリングエコノミーに積極的な世界各国の事例や課題について活発な議論が交わされた。
カンファレンスに先立ち、前日の11月24日には「シェアリングシティ宣言」が行われ、千葉県千葉市、静岡県浜松市、長崎県島原市、佐賀県多久市、秋田県湯沢市の各自治体が子育て、乗り物、空間、スキルなどのシェアを行うことで地方創生や地域振興、地方の課題解決に役立てることを宣言した。シェアリングエコノミー協会では、シェアリングシティのモデルケースづくりや自治体向けのスクール「シェアリングシティ・ラボ」の開校を通じて、30都市のシェアリングシティ認定を目指す。
矢野経済研究所調べによるシェアリングエコノミーの2014年の市場規模は、前年度比134.7%増の232億7,600万円で年々増加している。ソーシャルメディアとスマートフォンの普及も背景にあり、地方では空き時間を使って少額を稼ぐ「マイクロアントレプレナー」も増加している。特に地方で増加する空き家や店舗、保育所の待機児童問題、高齢者福祉の問題に対し、自治体は税収低迷による財政の逼迫によって解決することが難しいという問題が起きている。これらの問題に対し、公助ではなく共助によって課題解決が可能だという。一方で、Airbnbに代表される民泊では、旅館業法違反や住民とのトラブルなどの問題が浮き彫りになるなど、課題も山積しており、シェア経済サミットではこれらも課題として挙げられた。
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