京都市、「民泊に対する考え方」を公表・対策強化は堅持 (2016/11/10 Airstair)
京都市は、「観光立国・日本を牽引する質の高い宿泊観光」を目指して、「京都市宿泊施設拡充・誘致方針」を10月31日に策定し、民泊に対する同市の考え方を公表した。
京都市は、今後も訪日外国人を中心とした宿泊客が増えることから「京都市宿泊施設拡充・誘致方針(仮称)」素案について市民意見募集を実施。
市民から寄せられた意見には「違法民泊については厳しく取り締まってほしい」「住居専用地域での民泊設置に反対する」「集合住宅内での民泊は禁止してほしい」という厳しい意見が寄せられていた。
京都市は、民泊に対する考え方として、京都の暮らしが体験できるものやホームステイによる市民との交流などの付加価値を持つ良質な民泊を推進し、無許可民泊には引き続き厳正に対処する方針を示した。
昨今、京都市内における無許可民泊に対する厳しい対応が頻繁に報道されているが、京都市は民泊すべてに対して厳正に対処するわけではなく、合法的に運営されておりかつ、付加価値を持つ良質な民泊については推進したい構えだ。
民泊新法による住宅地での営業は不透明
2017年には「民泊営業」を規定する新しい法律「民泊新法」が制定される。旅館業法でも特区民泊でもなく、シェアリングエコノミーの特性にあわせた新しい法律だ。
平成 27年6月の規制改革実施計画に基づき、厚生労働省などの関係省庁による「『民泊サービス』の あり方に関する検討会」において検討が行われ、2017年の通常国会への提出が目指されている。
新法では、民泊ホストが提供する施設は、宿泊施設という位置づけではなく、「住宅」という位置づけになる。そのため、ホテルや旅館などの宿泊施設の営業ができない住居専用地域でも民泊を実施可能になる。
これについて京都市は新法の成立後に「京都らしい良質な宿泊サービスとするための検討を行う」とのことで、上乗せ条例により住宅地での民泊営業が規制される可能性がある。
【広報資料】「京都市宿泊施設拡充・誘致方針(仮称)」に関する市民意見募集結果の公表及び方針の策定について(京都市)
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