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認知症介護をする上で注意しておくべきポイントとは? (2016/7/30 JIJICO

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「介護職離職ゼロ」が認知症介護の負担軽減になるのか?

アベノミクス新三本の矢の一つに「介護離職ゼロ」が提唱されました。介護を理由として、勤めている会社を辞めないようにするための施策ですが、どうやら内容は、新しい施設(特別養護老人ホーム)などを整備することのようです。しかし、これからの高齢化問題は、施設整備だけでは解決には至らず、自宅で介護する家族(介護者)の努力なくして高齢者を支えることはできません。

ところが、認知症高齢者数は国の予測する人数をはるかに超え、まさしく介護者の「介護離職」の大きな要因となっていることに違いありません。その「認知症介護」の負担を軽減するためのポイントを私自身が介護現場で経験をしたことを踏まえて、お伝えいたします。

介護

認知症介護のポイントは「介護者」にあり!

認知症のご家族を介護されている方々の多くの悩みは、認知症に関する知識や情報はたくさんあるのに認知症介護をしている人の問題は、解決しないことにあるようです。また、在宅介護になると介護事業サービス(デイサービスや訪問介護など)を活用しても、家族と過ごす時間がほとんどになります。時には、介護者の疲労が重なり、倒れてしまうことがあるようです。

認知症介護の上で、大切なポイントは「認知症の人は、介護者の気持ちを映し出し様々な行動・言動を行う」ことを理解することです。また、薬などで認知症状を和らげるケースもありますが、ほとんどが薬以外で症状を和らげることで成果が出ています。たとえば、デイサービスなどの施設での音楽療法やレクリエーション、回想法などが挙げられます。すなわち、「介護者」の気持ちや思いによって、認知症の方の症状を落ち着かせることができるのです。

認知症の方が変わるのでないことを理解することが重要

しかし、家族の方の介護となると、どうしても昔はこうでは無かったと感じ、認知症の人の行動の受け入れが困難となります。どうしても、認知症の人の行動を間違っていると「変えよう」としてしまいます。そうすると「介護者の気持ち」が伝わり、認知症の人にとって逆効果となり、更に症状の悪化を招くことになります。

私が携わったご家族様には認知症介護のポイントである、自分自身が変わることをお伝えし実践いただき、負担が軽減されたケースが多くあります。そのためには、認知症の人との接し方をご家族の介護者と事業所などの介護者が共有・共感し、お互いに実践していくことが大切となります。そうすることで、必然的に「介護者」が変わっていくことができ、認知症の人の症状が和らぎ認知症介護の負担軽減に繋がるのです。

提供:JIJICO

著者プロフィール
松本 孝一/介護事業コンサルタント松本 孝一/介護事業コンサルタント
株式会社オフィス松本
1987~2003年 阪神電気鉄道株式会社の不動産事業本部で不動産仲介業務などに従事。また、阪神間の住宅営業所の所長業務を担い、数値・労務管理や部下育成のマネジメントを実践し、成果を挙げる。約16年間の営業活動を通じ、「人と人とのつながり」の大切さを学ぶ 2003~2005年 大手不動産仲介会社(三井のリハウス)で仲介業務を経験。さらにたくさんの人との出会いから「ギブアンドテイク」ではなく「ギブアンドギブ」を学び、今日までたくさんの人との出会いを大切にしている 2005~2014年 介護事業者に入社、初めて介護業界に携わる。デイサービスセンターに配属され、介護職員として送迎・介助・レクリエーションなど経験。その後、センター長となり、全体の運営を任される。そして、訪問介護の現場業務や居宅介護支援事業の管理業務などを経験して、介護現場の難しさを実感し「介護サービスは究極のサービス業」であると認識。事業展開を図り、グループホーム・小規模多機能型居宅介護・サービス付高齢者向け住宅など23の新規事業所を立ち上げた 2014年 株式会社オフィス松本を開業
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