災害時給水所、新標識で認知度向上へ―横浜市 (2016/7/7 タウンニュース)
イラストで分かりやすく
横浜市水道局では、災害等で断水した際に飲料水が得られる「災害時給水所」の認知度向上のため、4月から災害用地下給水タンクの設置場所の標識の変更を進めている。イラストをメインとしたデザインで、年度内に市内134基すべての完了を目指す。
水道局が2014年度に実施した調査では、災害時給水所(旧・応急給水拠点)の場所を知っている人の割合はわずか14・2%。存在を知らない人は65.3%と、認知度の低さが明らかとなった。一方、同調査で発災時に知りたい水の情報で、最も多かった回答は給水をしている場所・日時だった。
災害時給水所は、災害用地下給水タンク(134基)、配水池(22カ所)、緊急給水栓(358基)と給水車を指し、小・中学校を中心に各家庭から約500m以内を目安に設置されている。中でも災害用地下給水タンクは市民の手で給水できるもので、発災直後から利用が可能。合計で約1万3000立法メートル、市民1人あたりに必要とされる1日分(3リットル)以上を確保できる。水道局では非常時に備え、各地の地域防災拠点での訓練等で開設方法の説明と実践を行っている。
同局では認知度向上のため、市のウェブサイトで給水所の場所が確認できる「スイスイまっぷ」を公開している。さらに今年1月には、地図情報をまとめたスマートフォン向け無料アプリ「ロケスマ」で、災害時地下給水タンクの地点情報の閲覧が可能になった。現在進められている標識デザインの変更も周知のための取り組みの一つ。水を汲む人を表したシンプルなイラストが大きく描かれており、より分かりやすくなったのではと担当者は話す。
水の備蓄が第一
水道局では給水所の場所を知ってもらい、開設に協力できる市民を増やすことも必要としているが、「過去の被災地の様子から、給水所には長蛇の列ができると想定され、運ぶためにも労力が必要となる。まずは家庭、企業での水の備蓄を第一にお願いしたい」と呼びかける。1人あたり3日分(9リットル)以上の飲料水を備蓄すれば、職員による給水所の開設まで持つとされている。
今後8月、9月分の検針票にも給水所と備蓄に関する情報が掲載される予定。
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