子ども中心にこれからの地域をつくる!キッザニア東京とNPO法人グリーンバードがごみ拾いのチームを結成! (2016/6/6 マチノコト)
5月30日(ごみゼロの日)、ららぽーと豊洲内で、NPO法人グリーンバードとKCJ GROUP株式会社がコラボレーションしてつくった「グリーンバードキッザニア豊洲チーム」のキックオフイベントが開催されました。
グリーンバードは、「きれいな街は、人の心もきれいにする」をコンセプトとしていて、2016年5月現在、世界に78チームを展開し、街のおそうじを行っているNPO法人です。また、KCJ GROUP株式会社は体験型商業施設の企画開発を行っている会社で、キッザニア甲子園やキッザニア東京を運営しています。
今回、「グリーンバードキッザニア豊洲チーム」がグリーンバードが国内外に展開する78番目のチームとして誕生したのは、KCJ GROUP株式会社がNPO法人グリーンバードの活動理念に強く共感したからとのことでしたが、その理念とはどのようなものなのでしょうか?
NPO法人グリーンバードの横尾俊成代表は言います。
「僕たちはポイ捨てごみをなくすことを目指しています。その方法を知っていますか?それは、街の中でごみを拾う側がめちゃくちゃ目立つことです。そうするとその街にはポイ捨てしにくい雰囲気が生まれます。
また、「“一度でもごみ拾いした人は二度とポイ捨てしない”の法則」というのもあります。一度でもゴミ拾いに参加したら、拾う側の気持ちがわかるので二度とポイ捨てをしなくなるんです。だから、多くの人に参加してもらうために、僕たちはみんなでわいわい楽しくおそうじをするんです。」
グリーンバードはこれまで20代・30代の若い大学生や社会人を中心に活動してきましたが、小中学生の子どもたちが中心のチームは今回がはじめてだそうです。
KCJ GROUP株式会社の住谷栄之資社長は、
「子どもたちがごみ拾いをすることで人間形成に良い効果があると考えています。例えば、整理整頓ができるようになったり、人にやさしくなったり。さらに、世界平和への気持ちや自分の街や国への気持ちの原点にもなるのではないかと考えています」
とその狙いについて語っていました。
早速、子供たちは多くのことを学んだようです。キックオフイベントのあとに行われた第一回のおそうじ活動では、子どもたちはまるで宝探しでもするように、夢中になってごみを拾っていました。ごみ袋を持っているのは参加者の中でも一部の人だけ。
その人に自分が拾ったごみを持っていき、袋に入れてもらう。しかも拾ったごみがどのような種類なのか分別して、それに該当する袋を持っている人を探さなければならないし、もし種類がわからなければ、わかっている人に尋ねる必要があります。これによって人とのコミュニケーションがはじまるだけでなく、分別学ぶことにもつながっているようでした。
ごみ袋を持っているのは高学年のお兄さんだったり、知らない誰かのお母さんだったり。普段は家庭と学校という小さな世界の中で暮らしている子どもたちにとっても新しい体験になっただろうと思います。また、街にはごみを拾う自分たちだけが存在するわけではなく、自転車や歩行者がいます。
道いっぱいに広がって、時には走り回っているうちにそのような人たちの邪魔になって高学年のお姉さんや近所の会社員のおじさんに叱られたり注意されたり。そうした中で、周りへの気配りや社会で生きることについて少し学んだはずです。
さらに、自分たちの街のことを深く知るきっかけにもなったことでしょう。おそうじが終わった後、「きれいな街だと思ってたのに、意外とゴミがあるんだね。」という声が聞かれました。普段なら特段意識せずに通り過ぎる自分の街。でも、たちどまったりしゃがんだりするうちに普段見落としてきた街の姿が見えてきます。
もちろん良い効果があるのは子どもたちだけではありません。グリーンバードの緑のビブスをきて楽しそうにごみを拾う子供たちの姿はやはりとても目立ちます。一生懸命ゴミを拾う子供たちの姿を見て、そのあとポイ捨てを平然とできる大人はなかなかいないことでしょう。
また子供たちだけでは活動は成り立たないので、それを支える大人たちがいます。それは保護者であったり、地域住民であったり、その地域の会社で働く人であったり。そうした人たちが子供たちを中心として、一緒にゴミ拾いをすることで出会い、つながり、さまざまな学校や会社・世代の人による多様性を包含したコミュニティが今後形成されていくのではないでしょうか。
昔ながらの地域コミュニティや自治会の崩壊が叫ばれ、会社や学校・世代といった似た人々の集まりだけで人々が暮らすようになった昨今。FacebookやAmazonなどではそれぞれの人の好みを分析して、自分の好む情報や商品ばかりが提示されます。
時間や国境を越えて人々をつなぐことを可能にしたテクノロジーでさえ、結局は似た者どうしが集まることをより一層助長しているこの現実。たかがゴミ拾い。されどゴミ拾い。ごみ拾いは新しい時代におけるコミュニティ形成の一つの方法なのかもしれません。
(書き手:谷村一成)
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