これから就職する人へ 面接前に「ブラック企業」を見分ける方法 (2016/6/1 JIJICO)
ブラック企業とはどういう企業のこと?
「ブラック企業」って何ですか?最近セミナーなどで、よく質問があります。「ブラック企業」とは、元々は反社会的団体とのつながりを持っている会社のことを指していました。が、今では、特に労働集約産業で、若者を大量採用し、長時間労働を強要し、次々と離職させるいわゆる「従業員の使い捨て」によって、急成長した企業を指すのが一般的です。
ブラック企業に陥りやすい要素をもつ労働集約産業
私も長年労働集約産業である小売業で労務管理に携わっていました。コンプライアンス遵守の企業であったため、悪意の違法行為が行われることはありませんでした。
一方で、従業員が長時間労働をせざるをえない状況になることは度々ありました。店の営業時間も長く、品出しなど売場を管理する作業も膨大で、繁忙期などには、お店の正常な運営のために、一見すると「ブラック企業」なみの長時間労働をせざるをえなくなってしまうのです。
「忙しい時だけ人を増やせばいい」とよく言われます。しかし、会社の事情に合わせて都合よく働いてくれる人は、世の中にそう多くいませんし、社会保険加入など法律上の課題もあります。労働集約産業には「ブラック企業」に陥りやすい所以があるのです。
面接前にブラック企業を見分ける方法
だからと言って、従業員を食い物にする「ブラック企業」を容認するわけにはいきません。最近は、厚生労働省による企業名の公表も行われていますが、先ずは働く側が「ブラック企業」を選ばないことです。では、どうすれば「ブラック企業」を見分けることができるのでしょうか?
第一に、従業員数に比べて、採用予定人数がやたらと多い企業は使い捨ての可能性が高いです。現在の従業員が100人の企業で30人の新規の募集があるというのは、新しく営業所を開設するという理由でもないかぎり、非常に不自然です。すぐに辞めることを前提に大量募集していることが疑われます。
また、初任給が、同業種に比べて高すぎるのも怪しいです。採用しても、人が定着しないので、高い初任給を掲げてとにかく人を集め、残業手当なしの長時間労働を強いている恐れがあります。
それから仕事の内容がよくわからないのも要注意です。「○○スタッフ」「○○アドバイザー」「○○アテンダント」など、カタカナ語で表されている職種は、具体的な仕事の内容を必ず確認をする必要があります。
私個人的には、「誰にでもできる簡単なお仕事です」という表現もよくないと思っています。「誰にでもできる」=「誰でもいい、他にかわりはいくらでもいるから、いつ辞めてくれてもいいよ」とい企業の意図が感じられるからです。
入社してブラック企業と判明したならすぐに縁を切る勇気を
もちろん、求人票だけではわからない、会社に入ってみないとわからないということもたくさんあります。万一、自分が入った会社に「ブラック企業では?」という疑いを持ったならば、すぐに専門機関・専門家に相談しましょう。そして、「ブラック企業」であることが判明したならば、すぐに縁を切る勇気が大事です。
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