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「見せかけ高給」求人にご用心 (2016/2/17 JIJICO

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「見せかけ高給」求人にご用心

先日、いわゆるブラック企業問題に取り組む団体「ブラック企業対策プロジェクト」が、厚生労働省に対し「見せかけ高給」求人に対する対策をとるよう申し入れを行いました。

悩む

「見せかけ高給」求人とは、求人の際の給料額を、残業代などを上乗せした金額で提示することで、実際より好条件に見せかける求人のことです。

企業が求人する場合には、基本給と残業代とを分けて提示するよう厚生労働省は求めていますが、最近ではこのような「見せかけ高給」求人が増加しているとのことです。

若者がターゲットに

人材を“単なる使い捨て”と考えているようなブラック企業は、とにかく人を集める必要があるために求人条件をよく見せようと画策します。その戦略の一つが「見せかけ高給」だと考えられます。

先述のブラック企業対策プロジェクトによれば、こうした求人に若者が騙されて就職してしまうケースが多いそうです。働く経験が浅い若者がターゲットになっているのかもしれません。

では、こうした嘘の求人情報に引っかからないためにはどうすれば良いのでしょうか。

まず、他の同規模の企業・同様の職務内容の求人と比較して、明らかに条件が突出して良過ぎないかどうかを考えましょう。また、その企業からの同様の求人が何度も出されていないか(求人頻度が高すぎないか)などもチェックした方が無難です。

実際、就職してみなければ企業の実態はなかなか分からないものですが、就職活動の段階で出来る限りアンテナを張り巡らせて自衛することが大切です。

求人難も一因か?

真のブラック企業はさておき、「見せかけ高給」求人が増加している原因は他にもあるように思います。

原因の一つとして考えられることは、中小企業の求人難があるように思われます。労働力人口の不足が顕著になってきている昨今、中小企業が人材を確保するのは以前より厳しくなってきています。若者の安定志向もその一因で、大手企業や公務員を志望する学生が増えていて、賃金やその他の労働条件で劣勢にある中小企業が人を集めるのは大変な情勢です。近頃では、居酒屋のパート・アルバイトが集まらず閉店に追い込まれるといった事例もあるほどです。

そういった中では、給料だけに関わらず、企業が労働条件を少しでもよく見せたいといった思惑が働いてしまう可能性は高くなるでしょう。

「見せかけ高給」求人は、紛れもなくルール違反であり、理由はどうあれ許されるものではありません。しかし、これから増々顕著になるだろう人手不足に対して、官民双方が有効な対策を取れるかどうかが、このような問題を解決する鍵になるのではないでしょうか。

提供:JIJICO

著者プロフィール
大竹光明大竹 光明/社会保険労務士
大竹社会保険労務士事務所
平成12年、関西大学社会学部卒業。平成18年に大阪市城東区にて独立開業(平成20年に大阪市中央区に移転)。顧問契約している企業は、大阪を中心に製造業、建設、卸売り、飲食店など多彩で、社員数一名の中小企業から数万人の社員を抱える東証1部上場企業まで幅広い。労働・社会保険の手続き代行、リスク管理型就業規則作成、人事・賃金制度構築支援、労務管理コンサルティングなどを手がける。現在、大阪産業創造館「あきない・えーど」において経営サポーターを務める。
関連ワード : 労働・雇用