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職員をないがしろにする組織に未来はない―地方公務員アワードと業務マニュアルアワードが応募受付開始 (2022/6/1 政治山)

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 株式会社ホルグは5月31日、「地方公務員が本当にすごい!と思う地方公務員アワード(以降、地方公務員アワード)」の開催を発表した。地方公務員アワードは2017年に初開催され、今年で6度目となる。累計で全国60名の地方公務員が受賞を果たしたが、これまでの変化と、今年の新たな取組みである「地方自治体業務マニュアルアワード」について、同社代表の加藤年紀さんに伺った。

株式会社ホルグ代表の加藤年紀さん

株式会社ホルグ代表の加藤年紀さん

――地方公務員アワード開催の目的を教えてください。

【加藤】 地方公務員アワードは、地味派手問わず高い成果をあげた地方公務員を表彰する取り組みです。昨今では、特別定額給付金やワクチン接種業務などで地方自治体の業務がクローズアップされることも多かったですが、市民が公務員の行動や実務を知る機会はあまりありません。アワードをきっかけに地味派手問わず成果を上げる公務員の活動や人となりを、全国の公務員や市民に知ってもらうことで、公務員がより成果を出しやすい環境づくりに貢献したいと思います。

――過去5回の開催で200回近くメディアに取り上げられたそうですね。毎年注目度が高まる地方公務員アワードですが、今までの流れをどう振り返りますか。

【加藤】 テレビや新聞をはじめ、ここまで多くのメディアに取り上げてもらえるとは想定していませんでした。公務員界隈だけが盛り上がっているという状況は避けたかったので、市民や民間人に良いイメージで情報が届くというのはとてもありがたいと感じています。今年は新たにヤフーさんや、「ふるさとチョイス」で有名なトラストバンクさんにも協賛に加わっていただきますが、こういった協賛団体が素敵な公務員に触れ、彼らを評価し、祝福していく文化が生まれているのは感慨深いです。

――世間で公務員が認められる文化が生まれていく一方で、役所大きな組織では出る杭は打たれると言われることもあるように思います。役所行政視点からの地方公務員アワードに、変化は感じられますか。

【加藤】 起こるべくして起こっている社会変化だと思っていますが、活躍する職員を応援・評価しようとする役所が増えてきたように思います。一例でいうと、昨年の受賞者10名が所属する役所のうち、3つの役所では自治体みずからプレスリリースを出し、受賞した事実や成果について大々的に発表していました。民間企業では当たり前にあることですが、役所は特定個人の活躍にフォーカスすることを好まない文化があるので、とても大きな変化だと感じています。

――なぜ、そのような変化が起きているのでしょうか。

【加藤】 組織の成果を維持向上させるため、時代の必然のように感じています。まず、近年では力のある職員がどんどん辞めてしまっている状態です。多くの場合は上司をはじめとした職場の人間関係や、将来の自分の仕事への不安や閉塞感が大きいからです。そのため、危機感を抱いている首長や人事担当者も増えており、活躍する公務員をバックアップしようと動ける組織が増えているのだと思います。

 今は専門職などをはじめ採用がとても難しい状態です。既に活躍できる環境があり、実際に活躍している職員が組織内に存在していることを示していくことは、良い職員を採用するために有効なアクションではないでしょうか。組織の成果に最も影響するのは人材であり、活躍する職員をないがしろにする組織には未来はないと感じています。

――今年は新たに「自治体業務マニュアルアワード」もあわせて開催されるようですね。この取組みと意図について教えてください。

【加藤】 すごくマニアックですよね(笑)。「自治体業務マニュアルアワード」は、自治体で利用されているマニュアルについて、官民の有識者がアドバイスや表彰を行っていくものです。自治体では業務量は増加し続けているにもかかわらず、人員は減少しています。直前に異動が決まることも多いため、仕事を引き継ぐ難易度も非常に高いと感じています。そこで、自治体の部署単位で応募いただいたマニュアルや作成ノウハウを広く共有することで、地方公務員の方々が活躍しやすい環境に繋がると考えています。

――推薦者・応募者に期待することはありますか。

【加藤】 地方公務員アワードについては、皆さんの周りにいる素敵な公務員を推薦してほしいです。すごい公務員というのは、様々な観点があります。地方公務員アワードでは分かりやすい派手な事例ばかりではなく、徴収や上下水道、会計など地道な領域で改善を積み重ねた方も受賞につながっていますし、その方の考え方や人間力のような要素も多分に影響します。受賞をきっかけに、さらに力を発揮できそうな方がいれば特に推薦いただけたらありがたいですね。

 自治体業務マニュアルアワードについては、自組織のマニュアルをブラッシュアップするきっかけ、あるいは全国の同じ業務を担う仲間を応援することにもなるかと思います。初めての試みで応募が集まるのか不安ではありますが、回を重ねてより自治体にとってプラスになるものにしていきたいと考えています。

 両アワードとも、7月7日、七夕の日まで応募が可能です。ぜひ、地方公務員の方には素敵な仲間を、もしくは、素敵なマニュアルを推薦・応募してくださいね。

――本日はありがとうございました。

◇地方公務員が本当にすごい!と思う地方公務員アワード
2017年から毎年開催され、今年で6度目。毎年約10名の地方公務員が表彰される。今年は6月頃から地方公務員による推薦を受け付け、8月に受賞者の発表、10月に表彰式を開催予定。
<地方公務員が本当にすごい!と思う地方公務員アワードの詳細はコチラ>

◇株式会社ホルグが運営する地方公務員コミュニティ「地方公務員オンラインサロン」
2019年1月にオープンした、地方公務員限定のコミュニティ。毎月4回以上、活躍する首長や公務員等のウェブセミナー・ウェブ交流会に参加可能。メディアへの寄稿や新たな人脈の構築、士業などへの相談など、公務員が活躍する場を広げることが可能。400人以上の公務員が在籍。
<地方公務員オンラインサロンの詳細はコチラ>

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