マイナンバーカード×ブロックチェーン、国内初のネット投票システムの実証がつくば市で始まる (2018/8/23 政治山)
20日、つくば市(五十嵐立青 市長)が開催する「平成30年度つくば Society 5.0 社会実装トライアル支援事業」を選出するコンテストの最終審査において、期日前のインターネット投票の受付が始まりました。
つくば市では、「超スマート社会」の実現に向けた取り組みである「Society 5.0」について、IoTやAI、ビッグデータ解析等を活用したトライアル(実証実験)を全国から公募し、優れたトライアルを支援するとともに、つくば市のフィールドを活用して具現化することを目指す取り組みを実施しています。
今回は一次審査を経た13件の政策提案から5件を採択する予定で、その審査に国内初の試みとなるマイナンバーカードとブロックチェーンを使用したネット投票システムが用いられています。
マイナンバーカードで厳密な個人認証
投票の流れは、1.投票所に設置されたカードリーダーにマイナンバーカードをセットし、2.認証画面に進み、電子証明書の署名用パスワードを入力して本人確認を行い、3.投票画面に進み、事業提案を選択して投票(一人一票、1回のみ投票)します。
このシステムでは、マイナンバーカードの情報を読み取ることで投票権を有することを証明し、電子証明書の署名用パスワードを入力することで投票者本人による投票であることを確認しています。
ブロックチェーン技術で投票の秘密を担保
また、投票者情報と投票内容を別々のサーバで管理するとともに、投票内容をブロックチェーン技術によって処理することで、投票の秘密を担保しつつ、投票データの改ざんや消失を防止しており、システム管理者であっても投票者情報と投票内容を紐づけて知ることはできない仕様となっています。
「便利・簡単・わかりやすい」
期日前投票の初日である20日は五十嵐立青つくば市長もネット投票を体験し、「便利・簡単・わかりやすい」と驚きの声を上げました。
宇宙からもネット投票できるようにしたい
その後の記者会見にはNHKや複数の全国紙など多くの記者が参加し、関心の高さがうかがえました。市長からは「つくば市にはJAXAもあり、宇宙飛行士も住んでいる。宇宙ステーションからの投票にも挑戦したい」と意気込みを語りました。期日前投票はつくば市役所で24日まで、本投票は28日、つくばカピオホールで実施され、即日開票されます。
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