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「政治は怖くない」議員インターンで得たものとは (2018/5/11 WOMAN-SHIFT)

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(前編から続く)

 NPO法人ドットジェーピー(※)が主催する議員インターンでは、学生が約2カ月間、議員の下でインターン活動を行います。ふだん接点の少ない住民や学生からは見えにくい議員の人となり、そして活動内容について、議員インターンに参加した学生に率直な感想を聞きました(座談会の臨場感をお届けするため、元の表現を尊重しています)。

<メンバー>
二村 大学1年生。法学部。仲が良い先輩に誘われておそるおそる参加。区議インターン。
畠山 大学2年生。文学部。スタッフの友達の話を聞くうちに興味を持って参加。都議インターン。
國谷 大学1年生。法学部。友達に誘われて参加。市議インターン。
相原 大学1年生。社会学部。スタッフの友達に誘われて参加。区議インターン。
山本 大学1年生。文学部。友達の友達から話を聞き、思い切って参加。区議インターン。

政党に所属すること

二村「国会で起こってる政党の話と、地方の政党は、直接関係ないじゃん。でも同じ政党だから自治体の方でも言われてしまう、というのはショックだったなぁ。政党は歴史もあるから、すごく応援してくれる人も、すごく反対してくる人もいる。もちろん政党に入るメリットもたくさんあるんだけど、不利な点もあるんだなって思った」

畠山「確かに、政党に所属することはメリットも大きいけど、政党という大きい枠組みでしか見てもらえないこともあるってことを知ったかな。以前、インターンで署名活動をしてたんだけど、あるおじいさんが、都政レポートのチラシは受け取ってくれたんだけど、それをちらっと見て、この政党なら応援しないって言ってチラシ返されて。議員の方々は1人ひとり違って、良い方もたくさんいるのに、政党でしか見てもらえないんだなって、ちょっと悲しくなった。まあ、仕方ない部分も大きいんだろうけどね」

相原「そうだよね。あ、それに関連して、政党内で決まってる公約とかも地方の選挙では縛られるのか、前にある議員の方に聞いたことあったよね?」

二村「あったね!大選挙区になると「○○党はこれに関してはこう!!」っていう意見の統一性は、差別化のためもあって多少は緩くなるとはおっしゃってたかな」

国会議事堂

政治は怖くない

二村「そもそも私はドットジェーピーに参加することも抵抗があって。私、政治学科なんだけど政治学科行くことにも抵抗があって、最初」

相原「そこ(笑)?」

~一同笑~

二村「私は、政党の話とかになると怖いよなぁ、って思ってた。学校からもおどされてたし。マルクス読みましょうみたいなのには関わらない方がいいみたいな(笑)。だから、ぶっちゃけ議員インターンに行くことも、最初すごい抵抗があった。でも、実際に議員の方々と接してみると、Hさんたちがやっていることは、私が抱いている怖いイメージのようなものではなくて、すごい身近なことだって気づいたかな。例えば外国の人とかハンデを持った人がが住みよくなるといったこと。実際に怖いことがない訳じゃない。けど、そればっかりでもないってことが分かったかな」

畠山「私も政治に対して怖いイメージはあった。漠然と、ドロドロしてて派閥があって、賄賂とかそういうイメージ(笑)。だから、あんまり良いイメージはなかったんだけど、そういう議員の方々ばかりじゃないんだなってことを知れたことは、本当にこのインターンをやって良かったなって思える一番の理由かも。Mさんは、会った人がみんな好きになるんじゃないかってくらい素敵な人で。そんな議員の方々がいるってことを知らなかったから、本当にインターンをやって良かったな」

相原「そうだよね。私たちがニュースでみる政治の話は良くないことが多くて、いいイメージはあんまりなかったよね。私もそうだった」

山本「政治に対して怖いというよりも、政治はかたくて難しいってイメージだったかな。ぶっちゃけ良いイメージはなかったかな。関わりにくいというイメージだった。もちろん、難しい話もあったけどプライベートな話もして、頼れる大人ができたかなって思った!議員の方々と関わって」

投票ってどうやって決めてる?

國谷「私もインターンに行くことで、変化があったよ。例えば、この間の選挙のときは適当に投票しちゃったんだけど、インターンに行って、政治について勉強したら、この間の選挙ももっと下調べしておくべきだったなって反省した」

二村「そのときは、何か調べたの?」

國谷「一応、政党ごとの意見表がTwitterで流れてきて、面白いなあと思って、見たなぁ。あまり参考にはしなかったかな…」

二村「私も迷って、そういう表が流れてきたから参考にしてた。でもやっぱり全部私の意見と合致する政党ってなかったの。それで、どうしたらいい?って親に聞いたら、絶対に譲れない論点を一つ決めて、そこで決めたらいいんだって言われたから、あーなるほどって思った。別にその政党に対して100%の同意はしてないけどひとつ譲れない点があったからそこを基準にっていうようにね」

畠山「実は今まで投票に行ったことがなくて。よくそれでインターンしようって思ったなって感じなんだけど(笑)。投票行かないといけないなって気持ちはあったんだけど、いまいちよく分かんないし、適当に決めて投票するのも嫌だなって思ってて。たった1票かもしれないけど、すごく重いものだと思ってて。でも、次回の選挙は絶対に行く!」

山本「私も実は選挙にはまだ行ってなくて・・・。周りがあまり投票に行ってなかったという理由もあるんだけど。議員の方々がすごく地域のこと、区民のことを考えている姿を見てなんで私は投票に行かなかったんだろうという気持ちになった。だから、これから投票に行こう!って思った」

二村「お。議員の方々、喜びそう!」

投票

<インターンを通しての自分自身の変化と感想>

二村:今回のインターンで政治に対する印象がガラリと変わりました。海外ではよく政治の話をしますが、それはすごく個人の思想が顕著に現れる話題だし、もっと言えば自分の職業にも関わることだから、政治に関して議論することには抵抗がありました。それに私には関係のないことだとすら思っていました。ですが私にも関わりがあることで政治は身近なことだ、とインターンをしてからは思います。

 例えば私が昔下校していた19時頃は、通学路である大きい公園は真っ暗で人っ子一人いなくてすごく怖い思いをしていました。しかし今では夜まで営業しているカフェが公園内にできたり、設備が整備されています。何で公園がいい環境になったのだろうと疑問でしたが、調べてみるとそれは都のおかげでした。この公園を一例に、インターンをしてからは政治は身近なものだと気づかされました。

畠山:今回のインターンを通して議員の方々のイメージがいい方へと変わりました。インターンをする前、友達がインターン先のある議員を絶賛していて、私はそれを聞いて半信半疑でしたが、実際やってみたら私も本当にそう思いました。確かにそういう方ばかりではないのでしょうが、素敵な議員がたくさんいることも事実です。また、思った以上にママさん議員がいらっしゃるなと感じました。小さいお子さんを育てながら、それだけでも大変なのに都民のことも考えていらっしゃって感心しました。

 このインターンを通して私も東京に関するニュースについて関心を持つようになりましたし、都議会や委員会を傍聴してためになったので、インターンが終わっても傍聴しに行こうかなと思うようになりました。

國谷:インターンをしたことによって、自分の住んでるB議会に行ってみて、そこでまた別の議員の方と出会ったりして、もしインターンしてなかったら自分からB議会に赴くなんてこと絶対になかったと思います。また、インターンをしたことによって政治家さんや政治への誤解が解けました。高校のとき隣の席だった子が政治家を嫌いな子でしたが、そういう子にこそこのインターンに参加してほしいと思います。確かにメディアは悪いことを映すけれど、実際に議員の方々を見ていると皆さん国民の幸せを願って活動していらっしゃって、その姿を見てぜひとも誤解を解いてほしいです(笑)

相原:インターンを通して政治家を身近に感じられるようになり、また意外と政治は自分たちの生活に密接していることが分かりました。議員の方々は本当に熱意のある方々ばかりで、誰かが改善してくれるだろうと人任せにせず、自分で社会をよくしようとする姿に感銘を受けました。私は選挙の際に候補者1人ひとりをきちんと見もせず、何となく政党で決めていましたが、今回インターンをして有権者の責任を改めて感じました。これから投票に行く際はきちんと議員の方々がそれぞれどういうことを行っていらっしゃるのかを調べようと思うようになりました。

山本:議員の方々の仕事について、以前は事務作業のイメージがありましたが、でも思った以上に視察に出かけていて驚きました。自分が住んでいる地域の選挙にも興味がなかったんですが、議員の方々が行っている所は意外と身近なことだから私もこれから議員の方々が行っていることを知りたいと思いました。

<おまけ>

相原「インターンする前とした後の考え方や態度の変化とかある?」

國谷「ニュースをめっちゃ見るようになりました」

二村「国の?それとも」

國谷「地方のはまだあんまり…。国のかな。あと最近は勉強してるんだ」

二村「何を?」

~國谷政治用語集を取り出す~

相原・二村「おー!」

國谷「最近のニュースが結構載ってて、いい感じ」

二村「すごい。受験生みたいな事やってるね!!!」

※ドットジェーピーとは
若者投票率向上を目標にするNPO法人。全国25拠点で約500名の大学生スタッフが中心となり、春期(2~3月)と夏期(8~9月)の年2回、学生を対象としたインターンを開催している。

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