ギャンブル依存症対策に向け、超党派の地方議員連盟設立 (2017/2/24 大田区議 岡高志/横須賀市議 小林伸行)
22日、地方自治体のギャンブル依存症対策を考える超党派の議員連盟が発足しました。昨年12月のIR推進法の成立以来、カジノの是非に加えてギャンブル依存症の実態についても取り沙汰されてきましたが、対策を担うべき地方自治体の取り組みは本格化していません。
自治体へのカジノ誘致を提唱した神奈川県横須賀市の小林伸行市議と、ギャンブ依存症対策の充実を提起した東京都大田区の岡高志区議、両議員から「ギャンブル依存症対策地方議員連盟」の取り組みについてご紹介いただきました。
依存症対策に欠かせないギャンブル業界の協力
ギャンブル依存症対策地方議員連盟の設立会合兼研修会を2月21日に開催しました。自民、民進、維新、無所属の地方議員ら20人余りが参加しました。
研修会講師は、一般社団法人ギャンブル依存症問題を考える会 代表理事 田中紀子氏。田中氏は、IR法案が成立した今、大胆なギャンブル依存症対策に着手するべきと提唱されました。日本で必要なギャンブル依存症対策は、啓発活動、予防教育、実態調査、支援者人材育成、相談業務の拡充。業界の協力を求めるものとして、入場制限の強化、広告の制限、依存症対策費の拠出、を示されました。
病気であることの自覚と相談できる環境が必要
田中氏は、自身もギャンブル依存症者でしたが、自助グループに参加することで回復できました。自分と同じ問題に苦しむ人の手助けをしているうちに、そんな自分を誇りに思い、嫌いだった自分を段々好きになれたから、自分を役立てられる居場所ができたからだそうです。
ギャンブル依存症は、適切な支援を早期に実施できれば回復できる病気です。気軽に相談できる社会の雰囲気づくりを自治体からつくってほしいと、田中氏は締めくくりました。
ギャンブル依存症対策地方議員連盟では、専門家もまじえて情報交換を継続しまして、地方自治体としてのギャンブル依存症対策の準備を進めてまいります。次回は、3月14日(火)18:30より横浜に精神科医の佐藤拓氏をお招きして研修会を実施します。ご興味ありましたら、お知らせください。
<佐藤拓氏プロフィール>
成瀬メンタルクリニック院長。1972年生まれ。川崎医科大学卒。2001年に北里大学精神神経科に入局。同大学院修了後、2006年に厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部精神・障害保健課、2007年に横浜市こころの健康相談センターの勤務を経て、2013年より現職。病的ギャンブリングやギャンブル障害に関する執筆多数。
お問い合わせ先
岡 高志 oka[@]okatakashi.net
小林伸行 info[@]kobayashinobuyuki.com
※メール送信時は[ ]を除いてください
- 関連記事
- 成人の20人に1人がギャンブル依存症
- ギャンブル依存症になりたくないあなたへ
- パチンコ税を導入し、ギャンブル依存症対策を
- カジノのどこが悪いのか?「横須賀カジノクルーズ」提唱者が問う
- 生活保護とパチンコ