[用語解説]内閣改造、組閣
第2次安倍政権と第3次安倍再改造内閣…どちらも正解!? (2016/8/3 政治山)
参院選での勝利を受け、安倍晋三首相は8月3日、内閣改造を行い、第3次安倍再改造内閣を発足させました。
安倍首相は戦後の在任日数が歴代5位で、年内にも1806日の中曽根首相を抜き、小泉首相に続く第4位となる見通しの長期政権です。このため、政権と組閣、改造も回数を重ね、政権は第2次、組閣は第3次、改造の数は計6回に及びます。それぞれの違いはどうなっているのでしょうか。
首班指名後の組閣で「第○次内閣」に
第1次安倍政権は2006年9月26日から2007年9月26日まで続き、福田康夫政権に移行しました。現在の第2次安倍政権は、民主党の野田首相が衆院解散して行われた12月16日の総選挙で自民党が勝利して自民党の安倍総裁が国会で内閣総理大臣に指名(首班指名)されて政権交代し、2012年12月26日から続いている政権です。
総選挙後の国会で首班指名された総理大臣が内閣を組織します。首班指名後に新内閣を組閣した場合に、第1次安倍内閣、第2次安倍内閣などと呼び分けていきます。安倍首相は2014年11月に衆院を解散し、総選挙での勝利を受けて同年12月24日から第3次安倍内閣を発足させました。
閣僚をまとめて交代する場合「改造内閣」に
これに対し、改造は首班指名によらず、諸般の事情から首相が国務大臣(閣僚)の相当数をいっぺんに替えることを言います。憲法で使われる「組閣」は、首班指名後の組閣を言いますが、一般的には内閣改造の場合も「組閣」という言葉を用いています。
改造を含む組閣に際しては、与党役員人事改造と連動して行われます。副大臣や政務官人事も行われるので、ポスト待機組にとって、役職内定は会社員の昇級・降級に相当する悲喜こもごもの思いが交錯します。
第3次安倍内閣では、2015年10月7日に改造内閣が発足し、今回が2回目となることから再改造内閣と呼ばれます。
政権基盤は選挙の勝利で強化、改造人事で弱体化
政権は選挙で勝つ度に基盤が強化され、内閣を改造する度に基盤が弱体化すると言われます。参院選での大勝により当面の視界が良好となったことから、第3次安倍内閣は再改造により党内の“ガス抜き”を行うと同時に、刷新されたイメージで政権運営に注力することになります。