[用語解説]党三役
内閣改造で注目を集めた幹事長人事、党三役とは? (2014/9/12 政治山)
9月3日の安倍内閣改造と併せ、ご存知の通り、自民党 党三役(幹事長・総務会長・政調会長)についても幹事長が石破茂氏より谷垣禎一氏へ、総務会長が野田聖子氏より二階俊博氏へ、政調会長が高市早苗氏より稲田朋美氏へ入れ替わりとなりました。人事を巡っては石破氏の処遇が注目を集めたのは記憶に新しいところです。
ところで皆さん、幹事長、総務会長、政調会長という言葉をよく聞きますが、それぞれどんな仕事をしているのか知っていますか? 仕事の内容を知れば、きっと今回の人事がどういうことだったのかが、より理解しやすくなります。早速見ていきましょう。
1.幹事長とは
まず、幹事長は党における事実上のナンバー2といわれ、幹事長の最大の役割の一つが選挙対策です。立候補者の調整や資金管理などで手腕を発揮します。そのため選挙で負けた場合、責任を問われる事もあります。
また、党に入る政党助成金の管理や、党の重要役職の人事任命権も持っており、党の財政、人事において、大きな権限を持っています。
さらに自民党の総裁が首相となり党務を離れざるを得ない場合、総裁に代わって幹事長が党の実質上のトップにもなります。特に小選挙区制が導入されてから、公認を受けない候補が立候補して当選することが難しくなったため、その影響力はさらに大きくなったと言われています。
2.総務会長とは
総務会長は自民党において、常設機関としては党内最高意思決定機関である総務会の議長です。
総務会は、党の運営および国会活動に関する重要事項を審議決定する機関であり、内閣が国会に提出する議案は、閣議決定前に全会一致(例外もある)で事前承認されることが原則となっています。
そのため総務会を取りまとめる総務会長には調整型、ベテラン級の政治家が起用される事が多く、党のスポークスマン的立場と見られやすい幹事長や政調会長など他の党役員と比較すると、メディア露出はあまりありません。
3.政調会長とは
政調会長とは、政務調査会長の略称であり、政務調査会の運営を担当するまとめ役となる役職で、党の総合戦略調整機関である役員会に参加できます。
政務調査会とは、自民党国会議員と総裁が委嘱した学識経験者をもって構成され、党の政策調査と政策立案を担当し、審議決定します。自由民主党が採用する政策、国会に提出する法案は、政務調査会の審査を経なければならず、必要に応じて審議会、調査会、特別委員会等を設けることができます。
全会一致が原則で、政務調査会の決定は速やかに役員会および総務会に報告し、決定される必要があります。
- <著者>
日本政策学校 政策分析チーム - 日本政策学校は、主義主張・政党を超えた自由な議論を通じて、多様な民意が反映される「真の民主主義社会」を実現するために推進役となる政治リーダー(政治起業家)を育成・輩出することを目的として創設された学校です。
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