[用語解説]骨太方針
骨太方針の由来と命名者 (2016/6/7 政治山)
政府は6月2日の閣議で、経済財政運営の基本指針「骨太方針」を決定しました。6月になるとよく聞く骨太方針(骨太の方針)とは何でしょうか。
年末の予算編成や税制改正に反映
国の重要な経済政策を決める経済財政諮問会議が、毎年取りまとめる経済の方針で、年末の予算編成や税制改正に反映されます。今回の正式名称は、「経済財政運営と改革の基本方針2016 ~600兆円経済への道筋~」(骨太方針)で、内容は内閣府のホームページで確認できます。
経済財政運営と改革の基本方針2016 ~600兆円経済への道筋~
命名は当時の宮沢喜一財務相?
小泉政権から始まった印象の強い骨太方針ですが、退陣前の森政権によって最初の「骨太」づくりが始まります。2001年1月、省庁再編により内閣府に設置された経済財政諮問会議が開催され、当時の宮沢喜一財務相が「骨太」と命名したと言われています。基本策を諮問会議で、具体策を財務省で決めることから、「骨や軸がしっかりしているさま」を名前に込めたとみられます。
同年6月、森政権を引き継いだ小泉政権下で、骨太方針の第1弾が発表されました。経済財政諮問会議と骨太方針はその後、竹中平蔵・経済財政担当相(当時)とタッグを組んだ小泉首相の「構造改革」の象徴的な言葉として定着。2009年7月、民主党政権誕生で中断しましたが、2012年12月に政権奪還した安倍首相が2013年に経済財政諮問会議を復活させました。
経済・財政方針を政治主導で決定
諮問会議は月に1、2回開かれます。首相が議長を務め、官房長官や経済関係の閣僚、日銀総裁のほか、4人の民間議員で構成され、政治主導で国の経済・財政政策が決定します。
- <著者> 上村 吉弘(うえむら よしひろ)
株式会社パイプドビッツ 政治山カンパニー 編集・ライター
1972年生まれ。読売新聞記者、国会議員公設秘書の経験を活かし、永田町の実態を伝えるとともに、政治への関心を高める活動を行っている。
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