[用語解説]風営法
ダンスクラブ24時間営業可となる改正風営法が施行 (2016/6/23 政治山)
昨年6月に成立したダンスクラブの24時間営業を認める改正風営法が6月23日に施行されました。
日本ではダンスを踊れる店として、かつては「ディスコ」が主流でしたが、風営法第2条の、いわゆる「3号営業」の許可が必要で、24時での閉店(都の商業地は1時まで)が義務づけられていました。
廃れた1990年代のディスコブーム
2000年以降、深夜営業が可能なダンスを踊らない飲食店登録の「クラブ」が主流となり、ディスコという呼称自体が、バブル時代の象徴のような扱いになってしまいました。一世を風靡したジュリアナ東京(1991―1994年、港区芝浦)やヴェルファーレ(1994―2007年、港区六本木)といったディスコ・クラブは、実際にはバブル崩壊後に注目を浴びた現象でしたが、お立ち台や扇子のパフォーマンスがバブル時代のお祭り気分のイメージに合い、人々の記憶に残りました。
六本木では2006年から2008年にかけて、老舗のVanillaやCore、Yellowなどが閉店し、いわゆる「ディスコブーム」は終わりました。
風営法許可を取得しているクラブは全国に約400店あり、その多くが飲食店登録で営業しています。深夜に客にダンスをさせれば風営法違反で摘発対象となります。2010年、大阪で未成年による傷害致死事件が発生してから、こうした摘発が相次ぎ、自由に踊れる場がなくなることに懸念の声がでました。
授業必修化、健康目的…広がるダンス文化
一方、中学でダンスが必修科目となり、社会人の間でも健康維持に様々なダンス・エクササイズを取り入れる人が増えています。今回の施行で、ダンス人気はさらに盛り上がる可能性があります。
ただ、騒音や若者の深夜たむろなど地域住民に迷惑がかかる恐れも指摘されています。規制緩和により羽目を外すのではなく、周囲への気配りを忘れずに誰もがダンス文化を楽しめる社会へと成長していくことが期待されます。
新たなクラブブーム始まるか
昨年6月の改正と同時に、ダンス教室やダンスホールといった飲食を提供しない、いわゆる4号営業は規制が撤廃されました。
今回の施行では、照度10ルクスを超える飲食可能なダンスクラブなどが対象となります。3号営業の規制がなくなると共に、特定遊興飲食店営業という新たな営業形態に関する規定が設けられます。今年3月から特定遊興飲食店営業の事前申請の受付が行われており、クラブブームに向けた新たな動きはすでに始まっています。
- <著者> 上村 吉弘(うえむら よしひろ)
株式会社パイプドビッツ 政治山カンパニー 編集・ライター
1972年生まれ。読売新聞記者、国会議員公設秘書の経験を活かし、永田町の実態を伝えるとともに、政治への関心を高める活動を行っている。
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