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[用語解説]2020年問題

2020年問題だけじゃない、毎年ある○○年問題 (2016/4/5 政治山)

 2020年といえば東京五輪が開催される年。

 開催決定に沸き立った2013年9月から一転、新国立競技場の建設計画見直しや公式エンブレムの再選定、聖火台の検討漏れ…と、悪いニュースが相次ぎ、良くも悪くも「あと4年」という認識は多くの人が持っています。

団塊世代が後期高齢者、団塊ジュニアが管理職に

 「2020年問題」は、そんな東京五輪開催が決定する前から使われていた言葉です。現在40代の団塊ジュニア世代が管理職に就き賃金水準がピークになる頃で、企業としては処遇に悩む事態になりそうです。

 親である団塊世代は後期高齢者になり、少子高齢化率はさらに上昇し、人口構成がますますいびつになります。また、47都道府県全ての人口が減ります。

開発

 人口減少により、2020年以降の住宅需要は縮小を続け、都市部でも空き家が急増し、地方では限界集落が消滅していくのではないかと言われています。

五輪特需がなくなることへの懸念も

 東京五輪の開催が決まったことで、国や自治体は2020年に向けて訪日外国人の増加に向けた政策や、新国立競技場や交通インフラの整備を行っています。こうした特需が五輪後になくなることも2020年問題の懸念を大きくしています。

2000年問題から「○○年問題」多用

 ちなみに「○○年問題」という言葉は、コンピュータシステムの誤作動が心配された「2000年問題(ミレニアム・バグとも)」から多用されるようになりました。今年も、東京五輪に向けた改修工事で首都圏各地の劇場やホールの閉鎖が重なりコンサートホール施設が不足するとして「2016年問題」と言われています。

 このほかの主なものとして、18歳人口が減り始めて大学の閉校が相次ぐとされる2018年問題や、3人に1人が高齢者になるとされる2030年問題、2038年1月19日3時14分7秒(世界標準時)を過ぎるとコンピュータが誤動作する可能性があると指摘される2038年問題などがあります。

ほぼ毎年ある「○○年問題」

 「○○年問題」は、社会構造の変化や技術上のトラブルにより危機が訪れることを先回りした言葉として利用されています。話題になりやすいタイトルということもあり、専門家や評論家が「○○年問題」として警鐘を鳴らすと、それが伝播していくようです。現在はほぼ毎年、なにがしかの「○○年問題」が作られています。

<著者> 上村 吉弘(うえむら よしひろ)
株式会社パイプドビッツ 政治山カンパニー 編集・ライター
1972年生まれ。読売新聞記者、国会議員公設秘書の経験を活かし、永田町の実態を伝えるとともに、政治への関心を高める活動を行っている。
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