「五輪までに受動喫煙のない社会に」大学生が政策提言イベント (2015/12/5 政治山)
2020年の東京オリンピック・パラリンピックまでに受動喫煙のない社会づくりを目指す大学生のイベントが11月26日、国会議員会館で行われました。「たばこフリー実現を目指す大学生の会」が主催し、首都圏の大学生約70人と超党派の禁煙推進議連に所属する議員など与野党の代表者らが参加して活発な意見が交わされました。
大学生側からは、(1)屋内全面禁煙化と、違反者への罰則を設けた受動喫煙防止法の制定、(2)段階的にタバコ税を増税し、増収分を医療目的税化する、という2点の政策提言がありました。出席した議員からは提言への賛成意見が相次ぎましたが、罰則規定に対しては慎重な意見も聞かれました。自民党と超党派の禁煙推進議連では政策提言を参考にしながら作成中の法案をまとめ、通常国会での成立を目指したいとしています。
都は条例制定できず、永田町にも愛煙家多数
東京都でも舛添要一知事が昨年、受動喫煙防止の条例化構想を打ち出したものの、飲食業界や議会から強い反対の声が上がり、結論が先送りになった経緯があります。会場となった議員会館でも喫煙室が各階に設けられていますが、議員室では喫煙ができます。国会議事堂にも喫煙ボックスが設けられ分煙は行われていますが、議員や記者らの喫煙者が多いためか昨年ボックスは増設され、愛煙家が永田町にも相変わらず多いことが分かります。
自治体での啓発活動増えるも、罰則規定には及び腰
各自治体でも、歩きたばこ禁止の条例制定が相次いだり、毎月22日の禁煙の日(吸わん吸わん→2がスワンの形に近いため)には啓発活動が行われたりと、受動喫煙の被害を防ぐための取り組みは活発になっています。しかし、たばこ税の税収確保や分煙設備設置の経費が必要となる飲食業界の抵抗もあり、罰則規定を設けるなど分煙を徹底するまでの動きには至っていません。受動喫煙防止の取り組みは世界保健機関(WHO)のたばこ規制枠組条約に締約した先進諸国の中でも立ち遅れているのが現状です。
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