バレンタインのチョコ配っても公選法違反?  |  政治・選挙プラットフォーム【政治山】

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[用語解説]寄附、寄附行為

バレンタインのチョコ配っても公選法違反? (2016/2/19 政治山)

関連ワード : 寄附 用語解説 

 兵庫県三木市議の堀元子氏(52)が、市内の支援者21人にバレンタインデーのチョコレートを配り、公職選挙法が禁じる寄附行為に当たる恐れがあるとして、警察が事実関係を調べているとの報道がありました。

 一般的な感覚からすると「お咎めするほどのことでもないのでは」と思いますが、政治家の寄附行為は公選法で厳しく禁止されています。

チョコレート

年賀状や電報のあいさつ状も禁止

 同法(第199条の2)では、選挙区内の人に対して寄附をすることは、時期や名義を問わず禁止されています。また、年賀状等や電報によるあいさつ状も、答礼のための自筆によるものを除き禁止されています(第147条の2)。

 議員1年生の中にも「こんなことまで禁止なの?」と驚かれる方もいますが、時には1票差の選挙結果で明暗が分かれる政治家の特性上、当たり前といえば当たり前の規定といえます。

祝儀や香典は本人手渡しの場合OK

 一方で、第249条の2には例外規定もあり、政治家本人が自ら出席する(1)結婚披露宴における祝儀、(2)葬式や通夜における香典――の場合には社交の程度を越えない範囲で許されています。

 これに関し高木毅復興相は昨年末、選挙区内での葬儀に香典などを支出した複数回の行為について、「本人ではなく代理によって香典が渡された」という疑惑が浮上し追及されましたが、本人はあくまで「自ら渡した」と答弁しています。

市議は反省しきり

 今回のチョコレート寄附は、市議自ら後援会幹事らの自宅を訪問。近況報告の手紙に約500円相当のチョコレートを添えて配ったそうで、「寄附行為に当たる認識がなかった」と本人も反省している様子。生活習慣の一環でついつい…というのも分からなくはないですが、現在2期目で経験もある5年生市議としては、軽率の誹りを免れません。

<著者> 上村 吉弘(うえむら よしひろ)
株式会社パイプドビッツ 政治山カンパニー 編集・ライター
1972年生まれ。読売新聞記者8年余、国会議員公設秘書3年余を経験。記者時代に司法・県政の記者クラブに所属し、秘書時代に中央政界の各記者クラブと接してきた経験から、報道機関の在り方に関心を持つ。政治と選挙を内外から見てきた結果、国民の政治意識の低さに危機感を覚え、主権者教育の必要性を訴える活動を行っている。
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