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【海外】欧米で減少、中国・ロシアや中東などで大幅増 SIPRI報告  ネット選挙ドットコム 2013年4月17日

前年比0.5%減 14年ぶり減少

スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(Stockholm International Peace Research Institute;以下SIPRI)の15日付発表によると、2012年の世界の軍事費は、わずか0.5%ではあるが1998年以来、初めて減少した。総額は、1兆7500億ドル(約173兆円)だった。

世界の軍事費のトップは米国で、中国とロシアがそれに続く。巨額の財政赤字を抱える米国は大幅な国防予算の削減により、イラクやアフガニスタンに駐留する部隊も縮小され、軍事費は減少。ヨーロッパ諸国も景気の後退の影響で削減の方向に向かっている。

Image:by The U.S. Army

軍事費のバランスがシフト

米国の軍事費は6820億ドルで前年比6%減、世界全体に占める割合は39%となり、ソ連邦崩壊後、初めて4割を下回った。西・中央ヨーロッパやオーストラリア、カナダ、日本などでも、軍事費削減の傾向を示した。

一方で、中国の軍事費は前年比7.8%増加し、ロシアにおいては同16%増加した。世界第2位の中国の軍事費は1660億ドルと推定される。第3位のロシアは、今後2020年までに約7000億ドルを軍に投資する予定だという。

SIPRIのサム・パーロ=フリーマン氏は

「世界の軍事費のバランスが豊かな欧米諸国から新興地域へとシフトし始めている可能性がある」

と分析している。

欧米諸国以外の国々の軍事費

東欧では、前年と比べ軍事費が15.3%増加し、ウクライナにおいては、24%も増加した。ラテンアメリカは、4.2%増で、パラグアイで43%増、ベネズエラで42%増と、大幅な増加率を記録。

中東は8.4%増で、サウジアラビアでは、大幅に軍備への投資が増え、前年比12%増で第7位にランキングされた。オマーンは同51%増で、今回、世界最大の増加率だった。

北アフリカは9.8%増加。軍事費の大部分は軍の近代化に投入されたようだ。アジア・オセアニアは3.3%増加。特に、ベトナムとインドネシアで大幅な増加がみられた。インドは2.8%減少した。

軍事費の支出の評価には、軍隊への給与、軍事投入費、管理費、兵器輸入費、開発費が含まれている。

▼外部リンク

SIPRIのプレスリリース
http://www.sipri.org/media/pressreleases/2013/

提供:ネット選挙ドットコム