[兵庫・尼崎市]特殊詐欺未然防止に向けた産学官の共同研究を実施 (2023/3/4 株式会社ぎょうせい)
兵庫県尼崎市(46万100人)は、特殊詐欺撲滅に向けて、学校法人東洋大学、富士通株式会社と連携し、AIと犯罪心理学を組み合わせた技術を活用して日本初となる共同研究を進めている。被害者の判断力低下などの心理状態を推定し、リスクの可視化によって特殊詐欺を未然防止するのが目標で、特殊詐欺を高精度に検知して未然に防止する特殊詐欺推定AIモデルの構築を目指している。
1回目の実験は22年3月末に実施。富士通開発のヒューマンセンシング技術に基づく感情推定と東洋大学開発の心理尺度を用いた感情状態の測定を活用して尼崎市の高齢者が詐欺電話を体験し、犯行に使用されるワードへの反応や反応時の心理状態を把握した。その結果、疑いやすい人ほど、また年齢が高い人ほど緊張・混乱しやすいことなどが確認され、生理反応と心理的特性から心理的状態を推定できる結果が得られた。
その結果を踏まえ、実用的な使用条件への適用を目指してカメラなど非接触センサーから推定される生理反応を用いて検証する2回目の実験を22年10月末に実施し、分析を進めている。共同研究は23年3月31日まで行い、特殊詐欺全般を高精度に検知するモデルの開発を目指していく。
(月刊「ガバナンス」2023年1月号・DATA BANK 2023)
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